まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

3/24 春の上信電鉄駅めぐり

この日は一日乗車券を使って上信電鉄の駅を巡りました。

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上信高崎駅

高田馬場4:48発山手線外回り0403G(クハE234-8)、池袋5:00発普通川越行き545K(クハE232-7018)と赤羽5:23発普通高崎行き821M(モハE233-3023)を乗り継いでまずは高崎へ。上信電鉄高崎駅は、JRの駅に隣接してひっそりと存在します。平成17年まではJRと改札口を共用していました。駅構内には引退した昭和39年製の電車・デハ203を転用した待合室「絲綢之間(シルクのま)」が設置されています。

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山名駅

高崎7:10発下仁田行き7(クハ753)で山名へ。室町時代に隆盛を誇った山名氏発祥の地にある駅で、古いながらもよく手入れされた木造駅舎が残っています。島式ホームの交換可能駅で、駅舎とホームは構内踏切で結ばれています。駅員さんは親切でした。

列車が着くたびに駅員さんが改札口で発着を見届け、下車客を送り出すという昔ながらの駅の風景が残っている駅です。

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下仁田駅

山名7:53発下仁田行き9(デハ252)で終点の下仁田へ。ネギで有名な甘楽郡下仁田町の玄関口で、関東の駅百選にも認定されています。上信線はその名の通り、「野」と「濃」を結ぶことを目的としていた路線で、当駅から先県境を越えて小海線羽黒下駅まで延伸する計画がありましたが、着工されることはありませんでした。

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下仁田駅構内

かつては貨物営業を行っていただけあって構内は広く、終着駅らしい風格が感じられます。農業用倉庫や錆びた貨車の留置された線路などがかつての繁栄を今に伝えており、妙義山を背景に頭端式ホームで列車が発車を待つ姿など、模型にしたくなるような光景が広がっています。

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千平駅

下仁田9:04発高崎行き20(デハ703)で千平へ。上信線が鏑川の渓谷に沿って山へ分け入っていくところにある駅で、平野部の駅が多い上信線では珍しく高低差に富んだ駅です。片面ホーム上に小さな木造待合所があるだけの簡素な駅で、訪問時は菜の花が綺麗に咲き誇っていました。下車した私と入れ違いに地元のおばあさんが乗車しようとしていましたが、駅入口の階段を登ってくるのが運転士さんに見えなかったらしく、タッチの差で乗り過ごしていました。一本後の列車内で見かけたのでどうやらこの駅で一時間待ったようですが、本数の少ないローカル線だと一本乗り遅れるだけでも大変ですね。

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南蛇井駅

20分ほど歩いて隣の南蛇井駅へ。「なんじゃい」と読む難読駅名で、独特の語感を持つその地名の由来については、アイヌ語の「ナサイ(川が流れて広くなっているところ)」が語源という説や、冬は温かく夏は冷たい「温井(ぬくい)」という泉が南にあり、そこに蛇が集まって暑さ寒さをしのいでいたという説などがあるそうです。

南蛇井は昭和30年まで存在した旧甘楽郡吉田村の中心地で、駅周辺には小学校や農協などの公共施設が集中しています。

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上州一ノ宮駅

南蛇井9:52発高崎行き22(クハ7501)で上州一ノ宮へ。上野国一之宮貫前神社の最寄り駅で、昭和29年まで存在した旧甘楽郡一ノ宮町の中心部に位置します。駅舎は小ぶりながらも天井の高い立派なもので、入口扉上のローマ字駅名や社章など細かい部分にも目が行きます。駅員不在時間帯だったのでスタンプは押せませんでした。

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神農原駅

上州一ノ宮10:12発下仁田行き15(クモハ1001)で神農原へ。「かのはら」と読む難読駅で、片面ホーム上に待合所が2ヵ所設置されています。ホーム上からは下仁田方面に妙義山を望むことができるため、駅舎はなくとも構図次第でいい写真が撮れそうです。

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西富岡駅

神農原10:33発高崎行き24(クモハ702)で西富岡へ。昭和12年に「病院前」として開業、同26年に休止され、同28年に改称の上復活した駅で、現在の駅舎は昭和35年に完成したものです。公立七日市病院の最寄り駅で、当初の駅名はここから取られたのでしょう。駅周辺は住宅街が広がっています。

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上州七日市駅

西富岡10:56発下仁田行き19(クハ754)で上州七日市へ。県立富岡高校の最寄り駅で、階段の上に建つ木造駅舎は昨年7月23日に改修工事が完成して、新築同然の姿に生まれ変わりました。駅のある七日市は、江戸時代には前田氏七日市藩が置かれたところで、廃藩置県後3か月間だけ七日市県も存在しました。七日市藩陣屋跡は富岡高校の敷地になっていますが、かつての門がいくつか現存するそうです。

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上州福島駅

上州七日市11:28発高崎行き28(クモハ1201)で上州福島へ。甘楽郡甘楽町の玄関口で、小幡藩城下町への最寄り駅です。駅舎は南蛇井と同型で、駅舎前にはポンプ式の井戸が残されています。平成17年2月20日にトラベルライターの横見浩彦氏がJR・私鉄全9843駅の下車を達成した駅でもあります。

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上州福島駅 ホーム

駅構内の側線には運用を離脱したクハ304が貨車と共に留置されています。700系の増備で高崎の車庫に置くスペースが無くなった故の措置だと思われますが、障害物も少なく、ちょうど見やすい近さなので車両観察にはうってつけです。

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上州富岡駅

上州福島11:54発下仁田行き23(クハ752)で上州富岡へ。富岡市の代表駅で、世界遺産富岡製糸場への玄関口でもあります。平成26年3月17日より使用開始された3代目駅舎は、駅舎にはめったに見られないような開放的なデザインで、ブルネル賞やグッドデザイン賞日本建築学会賞、BCS賞を受賞しています。駅舎建築としては京都駅や大阪駅と並ぶ個性的なものだと言っていいでしょう。

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東富岡駅

上州富岡12:13発高崎行き30(クモハ704)で東富岡へ。地元の請願により平成2年に開設された新しい駅で、近くに工場が多いことから朝夕は通勤客で賑わいます。三角屋根の時計台を持つ駅舎は富岡製糸場をモチーフとしたもので、建てられた時代が時代らしくバブリーな雰囲気も感じられます。

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南高崎駅

東富岡12:41発高崎行き32(クモハ703)で南高崎へ。住宅街の中にあるホームだけの無人駅で、開業時は「下和田」を名乗っていました。今では吹きっさらしの簡素な待合所があるだけですが、昭和63年までは有人駅だったそうで、駅舎があったと思われる不自然な空き地もあります。

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根小屋駅

南高崎13:31発下仁田行き29(クハ753)で根小屋へ。戦国時代に築かれた根小屋城址の最寄り駅で、大正15年6月開業時のものと思われる年季の入った木造駅舎が現役で使用されています。

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根小屋駅 駅舎内

駅には「ベリーちゃん」という近所の飼い猫が居付いており、駅舎内を闊歩したり、ベンチに飛びのったりと自由気ままに過ごしています。駅員のおばちゃんが定期利用の学生さんと世間話をする光景も見られ、どこか懐かしいのんびりとした空気が漂う駅です。

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佐野のわたし駅

根小屋13:57発高崎行き34(クモハ702)で佐野のわたしへ。平成26年12月22日に開業した新しい駅で、駅名はすぐそばを流れる烏川にあった渡し船に由来します。駅舎や待合室等はありません。

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西山名駅

佐野のわたし14:03発下仁田行き31(クモハ7001)で西山名へ。昭和5年に「水泳場前」として開業した駅で、上信電鉄が観光客誘致のために建設した巨大プールの最寄り駅でした。昭和13年に戦時下の自粛ムードを受けて水泳場が閉鎖されると「入野」に改称され、昭和61年に現在の駅名になりました。昭和63年まで有人駅でしたが、駅舎はなく、高崎産業技術専門校の生徒の卒業制作による特徴的な駅設備が目立ちます。

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高崎商科大学前駅

西山名13:51発高崎行き34(クハ1301)で高崎商科大学前へ。平成14年3月17日に開業した駅で、駅名の通り高崎商科大学の最寄り駅です。住宅街の山側にあり、通学時間帯を除けば閑散としています。

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上州新屋駅

高崎商科大学14:37発下仁田行き33(クハ755)で上州新屋へ。昭和34年に小幡町・福島町と合併して甘楽町となった旧甘楽郡新屋村の駅で、下見板張りの木造駅舎が残っていますが、近いうちに解体されるという噂もあります。駅の高崎方を「三途川」という小さな川が流れていますが、現世側は果たしてどちらなのでしょうか。

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吉井駅

上州新屋15:13発高崎行き40(クモハ703)で吉井へ。平成21年に高崎市編入された旧多野郡吉井町の中心部にある駅で、駅舎は幾度もの改修や曳家移転を経つつ使われています。現在のホームは島式1面2線ですが、かつてはもう一本ホームがあり、その跡は保線区の資材置き場に転用されています。

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西吉井駅

吉井15:29発下仁田行き35(クハ752)で西吉井へ。昭和46年に開業した駅で、平成17年までは有人駅でした。駅舎は大屋根の下に窓口とトイレの小屋をそれぞれ設置した簡素なもので、待合スペースは吹きっさらしです。駅周辺には住宅街が広がっています。

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馬庭駅

西吉井15:44発高崎行き44(クハ7501)で馬庭へ。県立吉井高校の最寄り駅で、通学時間帯を中心に駅員が配置されます。狭い道路に面して建つ駅舎は増築を重ねたためか、出入口が2ヵ所あり、改札口も2か所あったと思われますが、窓口から遠い方は閉鎖されています。この日はずっと強いからっ風が吹いていましたが、駅員さん曰くこれでも冬場に比べればマシな方だそうです。

この日の駅めぐりは馬庭で終了し、馬庭16:41発高崎行き44(クモハ705)で高崎へ。

高崎からは17:13発湘南新宿ライン国府津行き2859Y(クハE231-8522)で池袋へ。池袋で夕食を食べてから19:20発山手線内回り1860G(モハE234-27)で高田馬場へと帰りました。