まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

3/27 春雨の日南線駅めぐり その2

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1921Dで串間へ

日南線駅めぐり二日目は、油津を6:08発普通志布志行き1921D(キハ40-8069)で出発し、串間で下車。串間市の代表駅で、簡易委託の窓口もありますが、ホームは片面で行き違いは不可能です。開業時は「福島仲町」を名乗っていましたが、南那珂郡福島町、大束村、本城村、都井村、市木村が合併して串間市が誕生してから5年後の昭和34年に市名に合わせて改称されました。

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串間駅

駅舎は昭和37年5月に改築されたもので、平成19年2月28日にリニューアルされて農林水産物直売所「くしま駅の駅」が併設されました。その際に駅の出入口と改札口は移動し、待合室も大幅に縮小されています。駅に直売所が併設されているというよりは、駅が直売所の片隅を間借りしているようにも見えます。

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駅前に保存されている広電769

駅前には広島電鉄で活躍していた路面電車750形769が保存されています。昭和25年に大阪市電1801形として製造されたもので、平成27年5月の廃車後に「くしままちづくり協議会」に譲渡されました。現在は観光案内所として活用されているようです。

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日向北方駅

33分歩いて隣の日向北方へ。国道から入った脇道の奥にひっそりと存在する駅で、駅舎は昭和55年12月30日改築の簡素なもの。日南線をはじめとして南九州ではよく見かけるタイプの簡易駅舎です。つい最近塗り直されたのか外壁も屋根も綺麗でした。その手前にあるトイレは工事現場にありそうな仮設トイレ。

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内海駅

日向北方7:58発普通宮崎行き1932D(キハ40-8069)で内海へ。日南線でも最後に開業した区間にある駅で、集落から少し離れた高台にあります。駅舎は日向北方と同型で、おそらく昭和55年前後の改築。開業は昭和38年ですから初代駅舎は20年弱しか使われなかったことになり、いくら無人化したとはいえ勿体ないなと感じます。ホームは島式ホームのような造りですが、開業からずっと片面しか使われていないようです。

内海は日南線の前身の一つである宮崎交通線の終着駅でしたが、青島~内海間では日南線とは別ルートを通っており、内海駅日南線の駅からは離れた集落の中心部にあったようです。

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飫肥駅

内海9:47発普通油津行き1929D(キハ47-9073+キハ47-8088)で飫肥へ。伊東氏飫肥藩の城下町として栄えた日南市飫肥(旧南那珂郡飫肥町)の玄関口です。駅舎は昭和16年10月の油津~北郷間開業時に建てられたもので、城を模したデザイン。日南線内では数少ない有人駅の一つで、線内最大の乗降客数を誇ります。日南高校・日南振徳高校の最寄り駅でもあるので訪問時は学生で賑わっていました。

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内之田駅

飫肥10:55発普通南宮崎行き1936D(キハ47-8088+キハ47-9073)で内之田へ。平成21年に日南市と合併した旧南那珂郡北郷町にある駅で、開業当初から無人駅のため駅舎はありません。周辺はのどかな田園地帯で、小雨がぱらつく中カエルの合唱だけが響き渡っていました。小さな上屋とベンチしかないホームでのんびりしていると、特急「海幸山幸」が通過していきました。

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日南駅

内之田11:39発普通南郷行き1933D(キハ40-8069)で日南へ。日南市の代表駅で、主要駅らしく駅舎は昭和37年6月改築の大柄なコンクリート造ですが、棒線化されています。訪問時は駅舎内にコミュニティスペースを新設すべくリニューアル工事中でしたが、貼り紙によれば3月31日で工事も終了したようです。

昭和16年の開業時は「吾田(あがた)」という駅名で、旧南那珂郡吾田村の玄関口でした。昭和25年1月1日に油津町、飫肥町、吾田町(S23町制施行)、東郷村が合併して日南市が誕生、昭和27年1月1日には吾田駅が改称されて日南駅となりますが、合併にあたては、市役所をどこに置くか、市名をどうするかで港町・油津と城下町・飫肥が大いに揉めたそうです。結局、市役所は間を取って油津と飫肥の中間地点にあった吾田に設置され、市名は「向(そして日本)の」から取ることで決着、紆余曲折を経ての日南市成立となりました。

日南市の誕生から今年で70年、間を取っての市役所設置だったので当時は小さな町だった吾田も今ではすっかり宮崎県南部最大の都市の中心部らしい賑わいを見せています。

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日南市役所

日南市役所へは駅から徒歩5分。昭和30年に建てられた古いものだけあって耐震性が低く、機能のほとんどを隣の保健センターに移転しており、現在は2階の議場くらいしか使われていないと通りがかった職員さんが教えてくれました。解体予定で、跡地に新庁舎を建設するそうです。

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日南市文化センター

市役所と駅前通りを挟んで向かい合うのは日南市文化センター。昭和37年に日本を代表する建築家の一人・丹下健三の設計で建てられたものです。あまり時間が無かったのでこちらはじっくりと見る余裕がありませんでした。建て替え予定もなさそうなのでまた今度来る時に見ることにしましょう。

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南方駅

日南12:59発普通南宮崎行き1938D(キハ40-8069)で南方へ。昭和38年に開業したホームだけの小さな駅で、宮崎空港駅の開業までは空港最寄り駅でした。駅周辺には住宅地が広がっています。阪急京都線にも同名の駅があり、読みもそちらと同じく「みなみかた」です。

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宮崎交通宮崎南営業所

南方駅から木花駅へ向かう道中、宮崎交通宮崎南営業所で許可を頂いて構内のバスを撮影。全国的にほとんど見られなくなった富士重工6Eが今も元気に走り回っている宮崎交通、コロナが収束したら他の営業所の車両も撮りに行きたいものです。

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木花駅

雨の中を歩き続け、木花へ。島式ホームの交換可能駅で、駅構外の踏切が東口とホーム、西口を結んでいます。東口にある駅舎は昭和38年開業時のものをリニューアルしたもので、券売機はホーム上に移されて中はがらんどうです。

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小内海駅

木花14:57発普通油津行き1939D(キハ47-9056+キハ47-8123)で小内海へ。海岸沿いの国道から階段を登った斜面の上にあるホームだけの無人駅で、ホームからは海を見下ろすことができます。しかし、その海の近さの割には駅と海を絡めた構図が少ないのが個人的には残念。

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運動公園駅

小内海15:32発普通南宮崎行き1942D(キハ40-8098)で運動公園へ。昭和59年3月に臨時駅として開設され、分割民営化時に正式な駅となった駅で、宮崎県総合運動公園の南口前に位置します。駅舎はありませんが、出札窓口跡が残っており、多客時などは使用されていたようです。運動公園とは反対側、ホームの真正面は田園地帯が広がっています。まだ3月末なのに田んぼに水が張られているのはいかにも暖かい南国といった感じです。

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大堂津駅

運動公園16:01発普通南郷行き1943D(キハ40-8128+キハ40-8099)で大堂津へ。昭和11年に榎原から伸びてきた志布志線の終着駅として開業した駅で、昭和30年に日南市に編入された旧南那珂郡細田町に位置します。駅舎は平成31年3月20日より使用開始されたばかりの新しいもので、簡易駅舎には珍しく木の質感に溢れています。昔ながらの木造駅舎もいいですが、このような最近の駅舎も良いものだと感じます。

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榎原駅

大堂津17:34発普通志布志行き1945D(キハ40-8104)で榎原(よわら)へ。昭和10年志布志から伸びてきた志布志線の終着駅として開業した駅です。大きな三角屋根が特徴の木造駅舎が残されていますが、昭和22年~28年の間に改築されたものだろうと推定されています。この駅舎について興味深いまとめを見つけたので貼っておきます。

togetter.com

所在地の旧南那珂郡榎原村は昭和31年4月に分割され、大窪地区が日南市に、駅の所在地も含めた残りの大部分が南郷町(H21日南市と合併)に編入されました。

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榎原駅ホーム

味のある駅舎に加え、南国情緒あふれる駅構内、昔ながらの看板などがとにかく写真映えするのでひたすら撮っていると気づけば日没。静寂そのものと言った駅構内にカエルの声だけが響き渡っています。こんな駅でのんびりと過ごすのが何よりも贅沢な時間の使い方なのかもしれません。

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鉄板焼きそば

榎原18:46発普通南宮崎行き1952D(キハ40-8060)で油津へ。レストラン五番館の鉄板焼きそばを夕食に食べてからホテルへと戻りました。