まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅めぐり旅~

駅めぐりの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

7/23 初夏の中国山地駅めぐり その2(芸備線・伯備線・木次線)

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早朝の新見駅

中国山地駅めぐり、二日目は新見を芸備線の始発列車で出発。西日本の山間の街だけあって午前5時でも稚内なんかと比べると薄暗い気がします。とはいえ冬場だとこの時間帯は撮影もままならないほどの暗さなので、いくら雨が降ろうが暑かろうが、やはり駅めぐりはこの季節がベストシーズンだと思います。

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快速備後落合行き3441D

人の気配のない新見駅から5:18発快速備後落合行き3441D(キハ120-328)に乗車。この区間では一日に一本のみの快速列車で、逆区間(備後落合→新見)は設定されていません。当然利用の少ない駅を飛ばしていくのですが、布原や坂根・市岡のような駅はともかく伯備線との分岐点である備中神代まで通過してしまいます。接続列車が無い時間帯だからというのがあるのでしょうが、通過しても問題ないくらい備中神代駅の利用が少ないということも示しています。

最初の停車駅は20分ほど走った矢神。ここで東城からの新見行き始発450Dと交換します。一駅・野馳を飛ばして、広島県内に入った東城からは終点まで各駅停車となります。終点備後落合では庄原・三次方面の列車に接続しているので庄原への通学生が乗れるようにという配慮のようですが、残念ながら現在は庄原方面への通学利用はないようです。ちなみに、快速の矢神までの所要時間は19分(普通だと28分)、東城までの所要時間は28分(普通だと39分)で、停車駅を絞った効果が如実に現れています。

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小奴可駅

6:14着の小奴可で下車、新見からここまで乗客は他に一人もいませんでした。昭和30年の旧比婆郡東城町成立までは小奴可村の玄関口だった駅で、駅前にはスーパーと運送店があるなど東城ほどではないものの賑わいを感じさせます。駅舎は昭和10年6月に三神線の終着駅として開業した際に建てられたもので、旧事務室部分にはタクシー会社が入居、結構増築されているので原型を留めているとは言い難いです。

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小奴可駅旧ホーム

ホームの反対側には使われなくなったホームが残っており、踏切を回れば反対側から入れそうだったので行ってみました。立入禁止とは書いてなかったので大丈夫でしょう。

ミラーの残骸がある辺りワンマン化以降まで使われていたようですが、一体いつ頃棒線化されたのかは不明です。

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駅舎の窓に貼り付いていたアマガエル

ホームを撮り終えて駅舎に戻ると、窓に小さなアマガエルが貼り付いているのを発見。大きさ的にカエルになってまもない個体でしょう。

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備後八幡駅

小奴可7:03発普通新見行き442D(キハ120-328)で備後八幡へ。昭和10年6月の三神線小奴可延伸の際に開業した駅で、駅舎の建物財産標には「昭和9年9月」の文字があります。駅舎は昭和58年の無人化後に旧事務室部分が撤去されてコンパクトな見た目になっていますが、残った部分は押縁下見板張りの外壁のままなので風情があります。

駅舎の前には開業時に植えられたと思しき一本の大木が立っていますが、この木は85年もの間駅の遷り変わりをどのように見てきたのでしょうか。

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簡易郵便局

駅は小集落の中の道のどん詰まりにあり、駅前通りを辿っていくと渋さ満点の簡易郵便局があります。果たしていつ頃の建物なのでしょうか。

ちなみに「菅」は当地の地名で、昭和30年の東城町成立までは旧比婆郡八幡村に属していました。

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備後八幡駅 旧ホーム

この駅も小奴可同様に旧ホームが残っており、裏側からアクセスできます。小奴可との違いはレールが残っていることですが、本線とは繋がっていないので列車が入ることはできないようです。

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旧ホームに咲くひまわり

旧ホームにはひまわりの花がいくつも咲いていましたが、地元の人が植えたものなのでしょうか。駅裏からはかつて帝国製鉄八幡工場までのトロッコが出ており、鉄橋も残っているそうですが、その存在を知らず見落としました。

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道後山駅

備後八幡8:20発普通備後落合行き447D(キハ120-342)で道後山へ。他に同業者が二人下車し、この区間でもファン人気の高い駅であることが実感されます。昭和11年11月開業、昭和29年の旧比婆郡西城町(現:庄原市)の成立前の所在地は八鉾村でした。駅周辺に人家は少ないものの個人的には秘境とまでは感じられませんでした。

開業時に建てられた駅舎は道後山公園の最寄り駅であることをアピールすべく設計に工夫が凝らされたモルタル仕上げの木造駅舎で、赴任してきた駅長が「都市駅を凌ぐモダンな遊覧停車場だ」と驚いたという話が開業時の新聞記事に残っています。気になる方はこちらをどうぞ。

jonchama.moto-nari.com

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うっすらと国鉄の文字が見える

無人化後、旧事務室部分は消防団のポンプ庫に改造され、原型が失われているのが惜しいですが、ところどころに昔を伝える看板などが残されています。旧ホームも残っていますが、草に阻まれて裏からは入れませんでした。季節を変えれば行けるのかもしれませんが。

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クワガタのメス

駅の観察を続けていると、軒下で何やら茶色い虫がひっくり返ってもがいているのを発見。一瞬ゴキかと思いましたが、元に返してやるとクワガタのメスでした。何の種類かまでは分かりませんが、元に戻るとそそくさと石の隙間に入り込んでしまいました。

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坂根駅

道後山9:23発普通新見行き448D(キハ120-342)で坂根へ。同じように道後山から乗った同業者も下車しました。人気の道後山ならともかく木造駅舎が残っているでもないこの駅で他に降りる鉄道ファンがいるとは思いもしませんでした。

昭和5年2月に三神線が備中神代から矢神まで開業した際に開業した駅で、かつては相対式ホームの交換可能駅でした。開業時の所在地は旧阿哲郡神代村で、昭和30年の合併で神郷町になり、平成17年に新見市となりました。備中神代駅は神代村になく、坂根駅が神代村にあるというのが実情だったようです。

駅舎は平成15年8月改築の簡素なシースルータイプ、とはいえ千葉地区のシースルー駅舎に比べれば十分雨風を凌げそうに思います。駅前には中国縦貫道の高架が通っているほかは人家が数軒のみ、駅前通りと国道182号の丁字路に旧商店があります。

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ぬこ

隣の市岡駅へ向けて国道182号を歩く途中、下夕組バス停付近で猫に遭遇。家がそれほど密集していない農村部で猫を見かけるのは結構珍しいように思います。田舎でも駅前には結構いる印象がありますけどね。

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市岡駅

35分ほど歩いて市岡駅へ。昭和28年10月に開業した、この区間では相対的に新しい部類に入る駅で、開業時から棒線駅です。平成12年3月に改築された駐輪場併設の駅舎「市岡ふれあいセンター」には地元産の木材が使われおり、待合室にも「国産材をもっと使おう」と林業のPR看板が掲げられていました。新しい木造駅舎とはいえ20年も経てばそれなりに質感が伴ってくるものですね。

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市岡駅ホーム

ホームは駅舎より一段高い所にあり、階段の両脇のスペースは地元の方によって庭園のように整備されています。ホームの向かいは民家で、住民の方が洗濯物を干していて、間違えてよその裏庭に迷い込んでしまったような感じがしました。

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矢神駅

市岡11:32発普通東城行き459D(キハ120-342)で矢神へ。昭和5年2月の開業から11月の東城延伸までの9か月間終着駅だった駅で、建物財産標によれば駅舎は昭和3年10月に建てられたもの。隣の野馳とほぼ同型ですが、旧事務室部分が撤去されて半分化されています。駅名は「田」と「上代」の2集落が合併してできた旧阿哲郡矢神村に由来しており、昭和30年に矢神村が野馳村と合併して哲西町になると町役場の最寄り駅となりました。平成17年に哲西町が新見市と合併してからも変わらず新見市哲西支局の最寄り駅です。ちなみに矢神には牛若丸が京から平泉へ向かうのを助けたとされる金売り吉次の生家跡があるそうです。

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矢神駅 改札口跡

駅舎を撮っていると工事作業員のおっちゃんが軽ワゴンでやってきて駅舎隣に駐車。作業前に腹ごしらえという感じで待合室でお弁当を食べ始めましたが、写真を撮るために建付けの悪い引き戸を閉めようとしていた私を見かねてかずれていた扉をレールに戻してくれました。おかげで扉の開閉もスムーズに。ありがとうございました。(※撮影後、改札側の引き戸は元に戻しました)

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矢神駅 ホーム

ホームは芸備線では珍しい千鳥配置の相対式。備中神代~東城では唯一の交換可能駅で、今なお広い構内を有します。2番ホームには中国地方に3本しかないという珍しい桜・御衣黄の木がありますが、開花時期ではないので説明を見て「へー」と思っただけ。できれば咲いているところ見てみたいものですね。

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布原駅

矢神12:07発普通新見行き460D(キハ120-342)で布原へ。伯備線に所属する駅ですが、新見駅を起終点とする芸備線普通列車のみが停車します。昭和11年に設置された信号場がそのルーツで、昭和28年ごろから旅客扱いを開始、分割民営化時に駅に昇格しました。短いホームが千鳥式に配置されているのみで、駅舎・待合室等はありません。列車待ちの間に雨が降ったら間違いなく詰みます。

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布原駅

駅へ通じるのは軽トラがギリギリ通れるレベルの細い道のみで、そのすぐそばを水量の多い西川が流れています。人家は数軒のみで、秘境感では道後山に勝ります。一日の平均利用客は一人にも満たないようですが、北海道と違って除雪に費用がかからないためか今のところ廃止の話は聞きません。

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山間のターミナル・備後落合

布原を13:07発普通備後落合行き443D(キハ120-359)で後に、備後落合へ。終点での接続が良い列車とあって車内は立客が結構出るほどの混雑。備中神代・坂根・市岡を除く各駅で乗降があり、活気を感じさせますが、この列車は増便前からある列車なので増便による効果とは言い難いでしょう。自分は東城で座れましたが、列車は立客が出るほどの混雑のまま備後落合に到着。新見・三次・宍道の3方から列車が集まる一大ターミナル駅ですが、人家の少ない山間に位置します。この時は乗り換え客で結構な賑わいを見せていました。ホームでは国鉄OBのおじいさんによる即興説明会も開かれており、まるでイベントのよう。

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備後落合駅 駅舎

乗り換え時間で駅舎を撮ろうと思いましたが、駅前に観光客の車が連なっていてはっきり言って邪魔でした。車で来るにしてももうちょっと停め方を考えてほしいものです。

さすがにこの立派な駅を乗り換えの15分で見るのはさすがに無理でした。いずれ人の少ない時期を狙って再訪しようと思います。

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木次駅で列車交換

備後落合からは14:41発普通宍道行き1462D(キハ120-5)で木次線を乗り通して山陰へ抜けます。車内はロングシートが埋まるほどの混雑でしたが、立客は出ませんでした。

車窓におろちループを見、出雲坂根スイッチバックを経て列車は進みます。一駅間が気の遠くなるくらいに長く、山をだいぶ下りてきた日登辺りですっかり飽きてきました。他の乗客もスイッチバックでははしゃいでいたものの、進むにつれてさすがに寝る人が増えてきます。

2時間ほどかけて木次に到着。ここで17分ほど停車します。どこにも降りれずただ乗り続ける旅に疲れ、車内ではぐったりとしていましたが、ホームに降りて外の空気を吸い、色々写真を撮るだけで元気になる辺り、やはり自分は「乗り鉄」ではなく「降り鉄」だと感じます。この調子で果たして飯田線を乗り通したりできるのでしょうか。

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宍道駅

加茂中で対向列車を待ったため7分遅れで発車し、宍道には7分遅れて17:43着。山陰本線木次線の分岐駅で、サンライズ出雲を含めた特急だけでなく豪華列車トワイライトエクスプレス瑞風も停車します。駅舎は明治42年11月開業時に建てられたもので、瑞風の停車に合わせて改装されました。

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山陰本線288M

宍道からは普通列車出雲市に向かい、サンライズ出雲に乗車する予定でしたが、出雲市方面の列車は遅れている様子で、このままだと食料調達ができないままサンライズに乗り込むことになりそうだったので予定を変更。4分遅れの宍道18:17発普通岡山行き288M(クモハ115-1505)で松江へ。せっかくなので駅弁を買おうと思いましたが短縮営業で買えなかったので、松江駅高架下の「らあ麺ダイニング為セバ成ル。KAKERU」のテイクアウトを利用することにしました。

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サンライズ出雲

松江19:24発寝台特急サンライズ出雲東京行き4032Mは2分遅れで松江駅に入線。パパッと写真を撮ってから乗り込みます。

座席は5号車(モハネ285-3)ノビノビ座席の下段。人が少ないからまだよかったのですが、さすがに隣との仕切りのカーテンがないようでは夜行バス以下の設備と言わざるを得ません。次乗るなら絶対個室だなと思いました。車内を見る限り個室も相当空室のままだったようです。

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鶏カラブタメシ丼(750円)

乗り込んで一息ついたら冷めないうちに夕食。最近一気に増えたテイクアウト可能な飲食店ですが、こんな使い方もできるのですね。ノビノビ座席の場合、混雑時は食事をするのは憚られるでしょうが。

伯備線内を走行中にシャワーを浴びましたが、結構揺れるので服を脱いだり、身体を洗うだけでもいちいち大変です。

岡山駅での停車時間に水を買って、まもなく就寝。目が覚めると熱田駅に停車していました。時刻は2:36

またひと眠りして外の明るさに目覚めると4:44。現在地を確認してみると焼津~用宗間を走行中でした。早朝の静岡県内を眺めるのもいいものですが、まだ寝足りない感じがするのでまた寝、今度は6:22の「ご乗車の皆様、おはようございます。本日は7月24日金曜日、列車は概ね定刻通り運転しております」という放送で目覚めました。まもなく車窓に流れる辻堂駅。いつの間にか首都圏近郊に入っていたようです。

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終点東京に到着

7:08 終点・東京に到着。下車後に反対側ホームから撮影したものの、やはり都会のターミナル駅は人も障害物も多く駅撮りが難しいと感じます。

7:21発山手線外回り0613G(クハE235-21)で田町に先回りして回送を撮ろうとしましたが高輪ゲートウェイ駅開業の影響なのか微妙に時刻が変わっていて浜松町停車中に追い抜かれて撮れませんでした。