まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅めぐり旅~

駅めぐりの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

10/7 秋の福島 建築・廃駅巡り

10月に入ってすぐの遠征の行先は福島。市内出身の友人の運転で、列車では行けない赤岩駅福島交通軌道線の痕跡を辿りました。

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早朝の福島駅西口

池袋サンシャインシティバスターミナルを23:20に出るWILLER EXPRESS B553便が福島駅西口に到着したのは早朝4:05。あまりにも早く着き過ぎたという感じで、どこの店も開いていません。福島駅には灯りが点いていましたが、こちらも開いておらず。コンビニもイートインが無さそうだったので、仕方なく地下道で本を読んで夜明けを待ちました。

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早朝の曽根田駅

ようやく明るくなってきた5:20頃に地上に出て、誰もいない早朝の街並みを撮影してから、線路に沿って北へ。立派な木造駅舎の残る曽根田駅まで来たところで、阿武隈急行の上り始発電車が通過。

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飯坂線の始発電車

さらに北上して、歩道橋の所まで進んだところで、今度は飯坂線の始発電車が通過。3両編成の1109Fでした。

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美術館図書館前駅

線路際の歩道で少しの間撮影してから美術館図書館前へ。福島県立美術館福島県立図書館の最寄り駅で、平成3年までは「森合」を名乗っていました。私鉄らしくこじんまりとした島式ホームの駅で、構内踏切で結ばれた小さな駅舎には朝夕のみ駅員が配置されます。

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阿武隈急行線上り906M

小さな駅なので、他の乗客や飯坂線の列車に注意する必要がありますが、ホームからは並走する東北本線の線路を走る列車をいい感じに撮ることができます。

やって来る阿武隈急行8100系も後継車両が導入され、そろそろ先が見えてきました。

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交換する飯坂線上下列車

しばらく撮影してから7:35発福島行き12(1107)で福島へ。ちょうど通勤通学時間帯だったので、大阪の電車と変わらないくらい混んでいました。とはいえ東京のラッシュに比べればまだ余裕があります。

福島駅前で友人と合流し、そのままレンタカーの営業所へ。車を借りてまずは赤岩駅を目指します。

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赤岩駅

市街地を過ぎ、フルーツ王国らしい果樹園地帯を抜けて山間の道を抜けて赤岩駅へ。最寄りの集落を過ぎると道が未舗装になりました。自分なら到底運転する勇気も出ないような道なので、運転してくれる友人に感謝です。雑木林の中の悪路をしばらく走ると、景色が開け、眼下に奥羽本線の架線が見えてきました。

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赤岩駅 旧ホーム

最後にキツイ坂を下って赤岩駅に到着。駅の手前には平成2年まで使われていたスイッチバックの旧駅跡が残されています。さすがに廃止から30年経っていることもあって自然に還りかけてはいるものの、当時の駅名標などが残っています。ですが、錆びすぎてとても判別できません。

到着時には駅前に保線作業員の方が大勢いらっしゃいましたが、廃ホームを見てから戻ると現場の方に向かったようでいなくなっていました。

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ホーム入口と待合室

廃駅の奥に現役の駅があります。現役とは言っても、最後に列車が停車したのは平成28年11月30日で、今は全列車が通過する休止駅ですが。

構造は至ってシンプルで島式ホームと待合室のみ。「平成8年12月10日」の建物財産標が付いた待合室は意外なことに施錠されておらず、中も案外綺麗でした。

スイッチバック時代は昭和33年改築の駅舎もあったとのことですが、今となってはその痕跡はほとんどありません。

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構内踏切

構内踏切を渡ってホームに入ります。通過列車に支障するからなのか、渡り板の一部が取り外されています。平成29年3月のダイヤ改正で「通年通過駅」になって以降、一時期はホームに立ち入れないようになっていましたが、いつの間にかまた立ち入れるようになったようです。「立入禁止」の貼り紙もなく、駅前にいた保線作業員さんからも「通過列車の来る時は入らないでください」とは言われたものの、ホームの立ち入り自体については何も言われませんでした。

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赤岩駅 ホーム

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赤岩駅 ホーム

ホームは山形新幹線開通に伴う改軌工事で本線上に移設されたもので、割と新しいものですが、休止駅だけあって少し傷みが目立ちます。駅名標は2枚ありますが、JR仕様と国鉄仕様で、何故かそれぞれ仕様が異なります。こちらは割と最近更新されたのか痛みはほとんど見られません。

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通過するつばさ132号

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通過するつばさ127号

10時ごろに山形新幹線が相次いで通過。それを撮ってから赤岩駅を後にしました。未舗装道は「行きはよいよい帰りはこわい」といった感じで、脱輪しないか岩に乗り上げたりしないか注意しながら進んだので脱け出すのに行きより時間がかかりました。

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大平集落

未舗装道を抜け出すとそこは大平集落。今も何軒か住んでいるものの空き家が目立ちます。かつてはここ以外にも赤岩、伊良窪といった集落が駅周辺にありましたが、かなり昔に廃村となり、今も人が住んでいるのは大平のみです。しかし、駅まで徒歩30分以上かかるので、休止になってしまうほどに駅を使う人はもういなかったようです

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福島盆地を遠望

大平集落から里へと下りていく途中、遠くに福島盆地を望むことができる場所がありました。とんでもない山奥ですが、ここも一応福島市内。車さえあれば数十分で大都会に至ることができます。

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傑心 味玉豚G郎(塩)

山を下りたところで少し早めの昼食。友人が気になっていたという傑心へ。塩ベースの二郎系を食べたのは初めてでしたが、食べやすくて美味しいラーメンでした。福島に行く機会があればまた食べたいです。

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伊達郡桑折町役場

昼食の後は桑折町役場へ。昭和32年に建設された古い庁舎ですが、来年1月4日より新庁舎に移転するためもうすぐ見納めとなります。全体的なデザインは典型的な戦後期のコンクリ庁舎といった感じですが、入口上部の明り取り窓がアクセントです。

正面にスローガンを掲げているのもまた一昔前の役場を感じさせます。

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奥山合名会社

続いて伊達郡国見町へ。藤田の市街地の中に建つ洋館、奥山合名会社(奥山家住宅洋館)を撮影。大正10(1921)年に建てられたもので、国の登録有形文化財八角形の塔屋やタイル貼りの外壁、窓廻りや腰下の石貼りが美しい洋風建築です。

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旧耕野郵便局

県境を越えて宮城県伊具郡丸森町に入り、旧耕野郵便局へ。昭和12年頃に建てられた郵便局で、現役当時の美しい姿を今も留めていますが、逆光気味。リベンジしたいので取り壊されることなく残ってほしいものです。

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旧耕野村役場

その隣には旧耕野村役場もあります。こちらは作業場として利用されている模様。耕野村(こうやむら)は昭和29年の合併で丸森町になるまで存在した村で、こちらも郵便局と同じく昭和12年頃の建築。

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あぶくま駅

続いてあぶくま駅へ。昭和63年に開業した阿武隈急行の駅で、東北の駅百選にも選定されています。阿武隈川を見下ろす立地で、見える範囲に人家はありません。

昨年10月の台風では土石流によってホームの一部が流されるなど甚大な被害を受けました。幸いにも廃止になるというようなこともなく、来る10月31日から全線での運転が再開される予定です。訪問時は復旧工事の仕上げが急ピッチで進められていました。

ホームを見ると、流出して造り直された一部のみ色が違うのが分かります。

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あぶくま駅の猫

秘境駅」のような感すら漂うあぶくま駅ですが、猫のいる駅としても知られています。隣接する産業伝承館の方が世話をしている猫だそうで、だいぶ人馴れしている様子。訪問時はごついテレビカメラで猫を撮っている謎の3人組がいましたが、テレビの撮影だったのか、Youtuberだったのか、どっちでしょうか。

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兜駅を通過する軌陸車

さて、そろそろあぶくま駅を後にしようかという段階で、突然ホームをトラックが通過。鉄道のレールも走れるように改造された軌陸車です。2台続けてやってきましたが、上手く撮れませんでした。隣の兜駅に移動して見ると、ちょうど軌陸車が一台通過していくところ。公団建設線の線路上を軌陸車が通過する光景なんてなかなか見れないレアな光景です。

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兜駅前の軌陸車

兜駅の駅前には軌陸車が停められていました。おそらく先程見た2台の片割れだと思いますが、誰も乗っておらず。そのおかげで普段見れない軌陸車をじっくりと見ることができました。

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富野駅を発車する934M

続いて富野駅へ。10月31日まではここで福島側からの列車は全て降り返します。被災前から、福島近郊区間の一番端の駅として折り返し列車が多数設定されていましたが、駅舎のない無人駅です。

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福島交通1116

ここからは福島交通軌道線の痕跡を少しだけ見ていきます。まずは保原中央交流館へ。敷地内に1116号が保存されています。昭和25年に製造された車両で、ナローゲージではないものの建築限界の都合で横幅の狭い馬面スタイルになっています。一時期はかなり荒廃していましたが、地元のロータリークラブによって再整備されて美しい姿を取り戻しています。

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掛田駅

続いて掛田駅へ。昭和46年に廃止された福島交通掛田線の終着駅で、昭和2年まではこの先川俣まで線路が伸びていました。廃止からすでに半世紀近くが経過していますが、今なお木造駅舎が残り、バスターミナルとして現役で使用されています。鉄道が無くなったのにバスの行先が今も「掛田駅前」なのが興味深いところです。

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伊達市霊山総合支所

鉄道からは一旦離れ、伊達市霊山総合支所(旧伊達郡霊山町役場)へ。霊山町は昭和30年に掛田町・霊山村・石戸村・小国村が合併して誕生した町で、平成18年の合併で伊達市となりました。庁舎はおそらく昭和40年前後に建てられたものだと思われますが、正確な竣工年については町史などにあたってみないことには分かりません。

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霊山こどもの村

続いて霊山こどもの国へ。ここにも福島交通軌道線の車両が保存されていますが、残念ながら定休日で近づくことができませんでした。保原の車両と比べると状態は良くなさそうで、今後が心配されます。

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伊達橋

いくつか寄り道して日が暮れかかる中、伊達橋へ。阿武隈川に架かっていた併用橋で、昭和46年まではこんな狭い橋の上に電車と人や車が共存していました。今は歩道橋として活用されています。軌道線の痕跡はここ以外にもいくつか残っていますが、日が暮れてきたのでこの日はこれでおしまい。

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信夫山からの夜景

最後は信夫山烏ヶ崎展望台へ。福島市中心市街地の夜景を眼下に見下ろすことができるスポットです。市街地から山が近いからこそ見れる迫力のある夜景、その中でも福島駅の灯りは結構目立ちます。時折通過する新幹線が散らす火花まで見え、飽きることはありません。展望台までの道は暗くて歩きづらいですが、それに見合うだけの美しさのある夜景でした。

帰りのバスはなんと日付が変わって1:20発。どうやって時間を潰そうかと思いましたが、ありがたいことに友人が家に上げてくれたのでなんとかなりました。