まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

11/14 吉野川に沿って四国山地駅めぐり

四国遠征二日目は、土讃線の徳島・高知県境の駅を中心に巡っていきます。

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土佐穴内で下車

夜明け前の暗い道をホテルから阿波池田駅まで歩き、5:33発普通土佐山田行き211D(1033+1026)に乗車。県境を越えて高知県に入り、土佐穴内で下車。ホームが一両分しか嵩上げされていないので、後ろの車両しか扉が開きませんでした。

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土佐穴内駅

長岡郡大豊町吉野川の谷沿いに設けられた小さな駅で、集落からは少し離れているため、秘境感が漂っています。かつては駅舎があったそうですが、昭和50年代半ばに撤去され、長らくホーム上に簡素な待合所があるだけの状態が続いてきました。駅前にある駐輪場と待合室は平成25年に地元から寄贈されたものだそうで、内部には地域の案内などが貼られています。

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土佐穴内駅から対岸を見る

山深い土佐穴内駅周辺、訪問時はちょうど紅葉が見ごろを迎えていました。朝のしっとりとした空気の中、山には少し霧がかかっていて、これぞイメージしていた四国山地という感じでした。茅葺トタンハウスもいい味出してます

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祖谷口

土佐穴内6:55発普通阿波池田行き4216D(1015)で祖谷口へ。三好市山城町吉野川沿いの集落を見下ろすような立地の駅で、少し高い所にカーブした単式ホームがあります。ホームから階段を下ったところにある駅舎は民営化時に改築されたログハウス風のもの。

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大川橋

次の列車まで40分ほどあるので周辺を散策することとしましょう。吉野川の対岸には近代建築もあるそうなので、駅近くの吊橋を渡って・・・と行きたいところでしたが、残念ながら撤去工事中でした。近くにあった説明板によれば、地元が国に祖谷口駅の設置を請願したところ、当地への架橋を条件に駅の設置が許可されたので、地元の名士が私財を投じて建設したのこと。開通は祖谷口駅開業と同じ昭和10年11月28日、地元の歴史を伝える貴重な吊橋ですが、残念なことに撤去されてしまうそうです。築85年の橋ですから老朽化も相当なものなのでしょうね。

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祖谷口

仕方ないのでもう一つの橋を渡って対岸に向かいます。こちらの祖谷口橋は昭和46年2月7日着工、48年1月30日竣工。

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高橋写真館(旧大利郵便局)

対岸にあったお目当ての建物はこちら。平成16年の映画「村の写真集」に写真館として登場した建物ですが、実際は昭和24年に建てられた大利郵便局の旧局舎です。

あまり知名度が高いとは言えない映画ですが、気になったのでまた時間がある時に見てみようと思います。主題歌が小椋佳さんですし

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小歩危

祖谷口8:22発普通大歩危行き4223D(1015)で小歩危へ。道路や集落を見下ろす崖っぷちにある相対式ホームの駅で、昭和25年まで「西宇」を名乗っていました。

昭和10年開業時の木造駅舎がリニューアルされつつも現存しています。

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小歩危駅 階段の上に木造駅舎

崖っぷちの立地のため、駅前広場などは当然なく、眼下の国道からは険しい階段を上ってアクセスします。崖からはみ出して宙に浮いた形の「WELCOME」の看板がなんともシュール。駅舎の入口が妻面に設けられているのは窮屈な立地ならではですが、実は側進んでいった面にも入口があります。そちらから写真後方へ進んでいったところにはちょっとした平地があり、車でアクセスすることができます。そっちをメインの駅前にした方がよかったのでは?と思うのですが、ひょっとすると開業時にはそっちの入口は無かったのかもしれません。

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阿波池田駅

小歩危9:10発普通阿波池田行き4224D(1015)で阿波池田へ。何気に明るい時間に降りるのはこれが初めてですね。徳島県西部の中心都市・三好市の代表駅で、新しい駅舎のように見えますが、昭和10年改築の木造駅舎をリニューアルしたものです。駅舎内にはセブンイレブンも入居し、拠点駅にふさわしい賑わいを見せています。ちなみに所在地名は三好市池田町字サラダ。

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マクシムの玉子サンド(700円)

朝から何も食べていなかったので、駅周辺で朝から開いていた喫茶店で腹ごしらえ。ちょっと割高でしたが、美味しいサンドイッチでした。駅舎内にコンビニがあるのでコンビニ飯という手もあったのですが、毎回それだとあまりにも味気ないので。

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大歩危駅

阿波池田10:20発特急南風3号高知行き33D(2804+2752+2702+2704)で大歩危へ。平成18年の合併で三好市となった旧三好郡西祖谷山村の玄関口で、特急も停車します。有名観光地である祖谷渓やかずら橋への最寄り駅だけあって、同じ列車からも多くの観光客が下車しました。

駅舎は昭和10年に「阿波赤野」として開業した際に建てられたもので、平成2年に古民家風に改装されています。屋根の形などは紀勢本線の神志山駅とそっくりですが、原型は平凡な切妻屋根のデザインだったようです。周辺駅も含めて昔の写真が載っているサイトを見つけたのでリンクを貼っておきます。

akatsukisha.com

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妖怪駅長のいる駅

平成22年に無人化されていますが、改札口では妖怪駅長「こなきじじい」がお出迎え。ゲゲゲの鬼太郎でおなじみの妖怪ですが、伝承の発祥地はこの辺りだそうで、地元は妖怪を使ったまちおこしに取り組んでいます。平成23年から2年間は柴犬の助役「虎太郎」も毎週日曜日に乗客を出迎えていたそうです。

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阿波川口

11:04発特急南風10号岡山行き40D2710+2754+2802)で一旦阿波池田に戻り、11:57発普通大歩危行き4229D(1015)で阿波川口へ。平成18年の合併で三好市となった旧三好郡山城町の玄関口ですが、特急は停車しません。駅舎は昭和63年に改築されたもので、平成29年11月に妖怪タヌキの里をPRすべくリニューアルされました。駅舎のモチーフは汽車に化けた「汽車たぬき」だそうで、観光列車「四国まんなか千年物語」を意識したデザインです。惜しむらくは車内からこちら側は見えないことですが、降りて駅の外も見て楽しんでもらおうということなのでしょうか。

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駅長たぬき

駅舎内の窓口では汽車たぬきと駅長たぬきがお出迎え。ご時世に合わせてちゃんとマスクを着けていますが、大きさが合っていないので愉快な感じになっています。

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阿波川口駅 ホーム側

ホーム側はこんな感じ。生首っぽいのが3つも置かれていて、夜に見たら怖いなんてものじゃないでしょう。優しそうな駅長たぬきや汽車たぬきと違って結構怖い感じのお顔です。

まあ何はともあれ装飾の多さから地元の方々の駅を盛り上げたい気持ちが伝わってきます。観光列車到着時は着ぐるみでのお出迎えや物産販売もあるそうで、いずれ乗ってみたいですね。

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旧川口郵便局

駅周辺を散策。山城町中心市街地の一角に明治38年に建てられた旧川口郵便局が残っています。現在も写真館として使用されており、国の登録有形文化財

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山城町川口の街並み

少し高い所から街を見下ろしてみます。吉野川と支流・銅山川の合流地点のわずかな平地に開けた山城町川口の街。役場も郵便局も崖に張り付くように建てられており、独特の景観を形成しています。人口5000人にも満たない小さな町の中心部ですが、建物の密度が高ければそれなりに街に見えるものです。

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三縄

阿波川口13:04発普通多度津行き4232D(1015)で三縄へ。昭和6年9月に徳島本線の終点として開業した駅で、昭和10年三縄~豊永間が開通して高知線と繋がった際に土讃線編入されました。駅舎は開業時に建てられたものですが、リニューアルされているので原型は留めていません。

下車時には駅舎前に車で写真を撮りに来ていた人の車が停まっていて邪魔でしたが、周辺散策を終えて戻ってきた時には消えていました。車で駅や列車の写真を撮ること自体は否定しません(自分もたまにやりますし)が、せめて車を停める位置くらいは考えてほしいものです。

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三縄郵便局

駅の近くには昭和7年に建てられた旧三縄郵便局が残されています。紋章付きの三角破風やアーチ形の玄関ポーチなど地方の小さな郵便局には珍しい豪華な造りです。地元の威信をかけた建築だったのでしょうか。90年近く前の建物にしては状態も良く、大切にされているのでしょう。

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土佐岩原

三縄13:54発普通高知行き4237D(1040)で土佐岩原へ。高知県最北端の駅で、県境の駅らしく周辺に人家は多くありません。駅前は狭い道を挟んですぐ吉野川の谷で、真正面から全体を撮ろうとすると転落してしまうことでしょう。

駅舎は昭和59年に改築されたもので、かつては農協が入居していましたが、今は撤退してがらんとしています。

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大歩危で乗り換え

土佐岩原を14:50発普通阿波池田行き4234D(1010)で後にし、そのまま阿波池田まで乗車する予定でしたが、大歩危で特急に抜かれるのでそちらに乗り換えて予定を変更することに。

大歩危15:05発特急南風18号岡山行き48D(2703+2701+2751+2803)で阿波池田へ。15:39発徳島線普通徳島行き464D(1005+1004)に乗り換え。予定では一本後の列車で徳島へ向かうはずでした。

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蔵本駅

日没までまだ時間があったので蔵本で下車。明治32(1899)年開業時のものと言われる木造駅舎が残っていますが、蛍光灯が光って残念な感じになったのでまたリベンジに来ないと行けなさそうです。周辺は徳島市郊外といった感じでビルなども多いですが、無人駅。とはいえ、駅舎内にテナントが入居して活用されているので、当分は改築されるようなこともないかと思われます。

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鮎喰駅

蔵本17:39発普通穴吹行き463D(1563+1252+1505)で鮎喰へ。昭和61年11月に開業した駅で、築堤上に簡素なホームがあります。周辺は住宅地で、団地なども多くあるようですが、駅自体はひっそりと闇に沈んでいました。

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麺王スペシャ

鮎喰18:01発普通徳島行き466D(1254)で徳島へ。地域共通クーポンを使って駅前の徳島ラーメン麺王で麺王スペシャルを注文して夕食としました。普段なら値段を見て躊躇してしまうトッピング乗せのラーメンを食べれるのもクーポンのおかげです。

この日は快活クラブの鍵付き個室に宿泊。翌日はいよいよこの旅のメイン・阿佐海岸へと向かいます。