まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

8/9 真夏の京成スカイアクセス線・東成田線・芝山鉄道駅めぐり

京成おでかけきっぷ駅めぐり、2回目は成田方面へ向かいました。

 

高田馬場を5:26発山手線外回り0561G(モハE235-40)で出発し、日暮里5:48発普通京成成田行き539(3821)、京成高砂6:05発アクセス特急成田空港行き551H(1080)を乗り継いで成田湯川へ。成田スカイアクセスに乗るのはこれが初めてですが、線形のよい区間を高速で飛ばしていくのは乗っていてなかなかの爽快感があります。

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成田湯川駅

平成22年7月17日、成田スカイアクセス線開通に伴って開業した駅で、成田ニュータウンの北端に位置するため、開業前の仮称は「成田ニュータウン北」でした。3階建ての堂々とした高架駅で、改札からホームへ上がる途中の2階には実に広々とした空間が広がっています。駅のすぐ成田空港方でJR成田線我孫子支線が高架をくぐっていますが、そちらに駅はなく、乗り換えるには下総松崎駅まで1.5㎞歩く必要があります。

開業から今年で10年を迎えますが、駅周辺はまだまだ開発途上といった趣で、未完成で通行止めの道や更地が広がっています。

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印旛日本医大駅

成田湯川7:05発アクセス特急羽田空港行き608K(3153-8)で印旛日本医大へ。成田スカイアクセス線北総線共同使用駅で、スカイアクセス線の開業までは北総線の終着駅でした。掘割状の橋上駅で、展望台を備えた駅舎が特徴ですが、そこへの階段は封鎖されていました。

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空港第2ビル駅 ホーム

印旛日本医大7:19発アクセス特急成田空港行き557H(1176)で空港第2ビルへ。成田スカイアクセス線京成本線の両方が乗り入れる駅で、線路は共用していますが、発着ホームは異なります。京成本線の発着する島式の3・4番ホームの成田空港方に柵で区切られてスカイアクセス線の1・2番ホームがあり、行き来するには一旦改札階に上がってから中間改札を通る必要があります。これは、高砂~空港第2ビル間でルートが二通りに分かれ、それぞれ運賃設定が異なることによるもので、全国的に見てもかなり珍しい方式だと思われます。

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閑散とした成田空港第二ターミナル

せっかくここまで来たのですから空港も少し見ていきましょう。改札を出てエスカレーターを上るとそこは成田空港第二ターミナル。お盆期間中ということで、例年なら海外旅行へ出かける多くの人で賑わうのでしょうが、国内旅行はできても海外旅行はほぼ不可能と言っていい状況のため、閑散としています。出発便案内には多くの飛行機が表示されていますが、香港、シンガポールヘルシンキジャカルタ、クアラルンプール、ヌメア、バンクーバー、ダラス・フォートワースの各空港への便がそれぞれ一便ずつ、コロンボ、ドーハへの便が時刻変更している他は全て「欠航」の文字が。ここからまた当たり前のように飛び立てる日は果たしていつになるのでしょうか。

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成田空港駅 1番線ホーム

空港第2ビル8:10発アクセス特急成田空港行き611K(3151-1)で成田空港へ。スカイアクセス線が発着するのは一番端にある片面使用の1番ホームで、ホーム側の壁の向こう側に2・4番線の線路があります。ホームドアは設置されているもののまだ使用開始されていません。京成本線の2・3番ホーム、スカイライナーの4・5番ホームが直列に配置される構造は空港第2ビル駅とほとんど同じです。

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北ウィング到着ロビー

こちらの駅の真上にあるのは第一ターミナル。巨大な空港を全部見学するとなるといくら時間があっても足りませんので、今回は北ウィング到着ロビーを見るに留めます。人気バラエティ番組「YOUは何しに日本へ」でよく映る場所ですね。到着便を見ても目立つのは「欠航」の文字で、外国人観光客や海外旅行から帰ってきた感じの日本人旅行者の姿はほとんどと言っていいほど見られません。

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京成成田駅 ホーム

成田空港8:45発特急上野行き8A00(3418)で京成成田へ。門前町として発展してきた成田市の中心部にある駅で、大正14年から昭和5年までは仮設の終着駅「成田花咲町」が存在しました。現在の成田駅の基となっているのは昭和5年に400mほど延伸した際に設けられた「成田」駅で、この延伸によって成田花咲町駅は廃されました。ホームは駅舎側の5番線と島式の2・1番線でもう一つ島式の4・3番線を挟む3面3線のスタイルで、なんとなく阪神尼崎駅の一部を切り取ったような感じをしています。4・3番線は有料特急「モーニングライナー」「イブニングライナー」の発着ホームで、普段は封鎖されています。

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京成成田駅 駅舎

駅舎は昭和33年の構内改良時に改築された2階建てのもので、成田山新勝寺への参詣駅にふさわしい和風デザインです。昭和53年に初代・成田空港駅(現東成田)まで延伸するまで長らく終着駅でした。

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東成田駅 ホーム

京成成田9:12発普通芝山千代田行き947A(3517)で東成田へ。昭和53年5月21日、「成田空港」として開業した地下駅で、平成3年3月19日に現在の成田空港駅が開業して改称されるまでのわずか13年間、空港アクセス駅でした。

40分に一本の列車から降り立ってみると、そこは人の気配のしない無機質で埃っぽい地下駅で、あまりの静けさと闇に根源的な恐怖を刺激されます。熊でも出そうな秘境駅とは別の意味で「怖い駅」です。

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闇に眠る旧ホーム

ホームは島式2面4線、とはいえ使用されているのは1面2線のみで、使われなくなったスカイライナー専用ホームが闇の中に眠っています。駅名標や案内サインも当時のままで、よく目を凝らさなくとも「なりたくうこう」と書かれた駅名標が確認できます。

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旧改札口

かつて使われていた改札口などはフェンスで囲われてしまっていますが、フェンスの上のわずかな隙間から覗いてみると物置のようになっていたものの、当時の案内サインが残っているのが見て取れました。「自動化きっぷ」の文字に、まだまだ自動改札機の普及率が低かった時代を感じます。

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東成田駅 地上部分

地上部分はこんな感じ。地下駅なので駅舎というより単なる「出入口」ですが、日本最大の空港の最寄り駅と考えるとショボいです。成田新幹線計画により、空港から少し離れたところにしか駅を造ることができなかったので、利用客はここからバスに乗るか歩いて空港に向かうしかありませんでした。それを思えば今の駅は随分と便利になったものです。東成田駅の駅前には空港関係のいかにも「関係者以外立ち入り禁止」オーラ出しまくりの施設くらいしかありません。

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昔のままの広告が残る

地上へと上がる階段部分には昔の日通航空の広告が残されています。撮っていると掃除のおばちゃんから「好きな人は目の付け所が違うねえ」と話しかけられました。

ちなみに階段を挟んで左右にエスカレーターがありますが、そのうち片方は使われておらず埃が溜まって化石のようになっていました。

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第5ゲートと一体化した駅出口

もう一つの出口の方も見てみようとそちらの階段を上ると、そこには「第5ゲート」と書かれた検問所が。「撮るな」と言われるのかと思いきや警備員さんは案外歓迎的で、「どうぞ自由に撮ってください」とのことでした。まだまだ空港建設反対の過激派テロリストが暴れていた時代の名残とも言うべき施設なのでしょうが、空港建設から40年以上、今では当時の過激派もすっかり高齢化して大人しくなったからもはや厳しく検問する必要もなくなったのでしょう。そもそも過激派が事を起こすにしても利用客の少ない東成田駅をわざわざ狙う可能性は低いでしょうしね。

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芝山千代田駅

東成田9:58発普通芝山千代田行き981B(3517)で芝山千代田へ。東成田から芝山千代田まで、わずか一駅だけの芝山鉄道は全長2.2㎞の日本一短い鉄道路線で、空港建設で不便を被る地元への補償として建設されました。会社の設立は昭和56年、免許取得は昭和63年、工事認可は平成2年ですが、土地取得が難航したことによって工事が遅れ、平成14年10月27日にようやく開業にこぎつけました。

芝山千代田駅山武郡芝山町にある唯一の駅で、片面ホームの高架駅。このご時世には珍しく自動改札機がICカードに対応していません。

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芝山鉄道線 終端部

線路はホームの端ですっぱりと途切れていますが、この先芝山町の中心部を経由して九十九里方面へと延伸する計画があります。成田から現在の芝山町域を経て九十九里方面へ向かう鉄道としては、成田~八日市場を結んでいて、戦時中に不要不急線として撤去された成田鉄道多古線があり、延伸が実現すれば実質的に多古線の復活と言えそうです。

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芝山千代田駅ホーム

芝山千代田10:17発普通京成成田行き1046A(3504)で成田へと戻ります。日中は成田までの列車が折り返すだけの芝山千代田駅ですが、朝夕には京成本線に直通する列車もあります。