1/19 庁舎を求めて薩摩をドライブ
緊急事態宣言が発令されてGOTO停止期間が延長されたものの、だからといってリスクの低い行動まで自粛させられる謂れはありませんし、感染対策を十分に行ったうえでの一人旅はなんら問題ないでしょう。ということで追加料金を支払う気でGOTO適用外の薩摩ドライブへと行ってきました。
高田馬場5:44発山手線内回り0460G(サハE235-4648)と品川6:09発エアポート急行羽田空港行き506K(3055-4)を乗り継いで羽田空港へ。羽田空港からは7:25発ソラシドエア6J 71便に搭乗して鹿児島空港へと向かいます。
強い西風を受けた影響で鹿児島空港には10分ほど遅れて到着。空港からも勇壮な霧島岳の姿がよく見えます。鹿児島県に来るのはこれで4度目と言えど霧島エリアに来るのはこれが初めてなので、初めて見る景色ばかり。
レンタカーを借りてまずは姶良市役所加治木総合支所へ。平成22年の合併で姶良市となった旧姶良郡加治木町の役場で、網掛川の畔に位置します。
川に面した側の南庁舎は昭和35年、駐車場を挟んで建つ北庁舎は昭和38年竣工といずれも老朽化していることから、建て替えられる方針で、完成は令和5年度の予定です。
続いて姶良市役所へ。旧姶良郡姶良町役場で、合併後は本庁舎が置かれています。本館は昭和35年に建てられ、55年に増改築されたもので、こちらも年季が入っています。解体して跡地に新庁舎を建てるため、昨年11月より機能を順次他の庁舎に移し、12月1日より閉鎖されました。訪問時はちょうど解体工事が始まったところで、周辺には工事の音が響いていました。本館と同時に敷地内にある3号館(平成2年築)、4号館(昭和45年築)も解体されます。複合新庁舎の完成は令和5年度を予定。
続いて蒲生総合支所へ。旧姶良郡蒲生町の役場で、本館は昭和29年、別館は昭和55年の建築。本館は味のあるモダニズム建築で、階段部分の造形に個性があります。総合支所も建て替え方針なので3年後には消えることになるのでしょうが、それが惜しいと思えるような建築でした。
姶良市を抜けて鹿児島市に入り、吉田支所へ。平成16年11月に鹿児島市に編入された旧鹿児島郡吉田町の役場で、吉田町・桜島町の編入を以て鹿児島郡は消滅しています。庁舎は昭和47年10月31日竣工で、窓周りの造形に個性が見られます。決して無個性な庁舎ではないものの蒲生総合支所を見た後なのでどうしても霞んで見えてしまいます。
交通量が多い上に路面電車が走っていたり車線が複雑だったりで走りにくかった大都会鹿児島市街地を抜けて錦江湾沿いをひたすら南下し、山川へ。
山川駅とは湾を挟んだところにある山川の市街地は古くから栄えた港町です。平成18年の合併で指宿市になる前は旧揖宿郡山川町でした。昭和31年に建てられた旧役場は合併後もしばらく使用されていましたが、老朽化のため昨年7月27日に新庁舎に移転しました。移転から半年が経つのに解体されていないのは珍しいですが、中を覗くと倉庫のようになっていたので当分は倉庫代わりとして残るのかもしれません。
入口周りを見ると蒲生総合支所に負けず劣らず個性のあるモダニズム建築です。
役目を終えた旧役場の代わりに山川庁舎となったのは道路を挟んで向かい合う山川文化ホール。昭和54年2月の建築で、文化ホールとしての機能は相変わらずですが、2階に山川支所が入居し、合わせてエレベーターが増築されました。
山川を後にし、開聞岳を眺め、薩摩半島南部を西へ向けて走っていきます。当初の計画では指宿市開門庁舎にも寄るはずでしたが、見たかった旧開聞町役場(昭和45年竣工)が建て替えのために仮庁舎に移転して解体されてしまったらしいことを知ったので今回はスルーしました。
トイレ休憩がてら枕崎駅に立ち寄りました。本土最南端の鉄道路線である指宿枕崎線の終着駅ですが、列車本数は少なく駅めぐりはなかなか大変そうです。枕崎市自体は決して小さな街ではありませんが、駅自体はごくごくこじんまりとしています。
枕崎からさらに西へ向かい、坊津町久志へ。古くから海上交通の要衝として栄え、鑑真和上の上陸地として有名な、坊津町の役場が置かれていた集落です。役場が何故最大の集落であった泊ではなくそれより小さい久志に置かれたのかは町史などにあたってみないことには分かりませんが、平成17年11月までは独立した自治体だったとは思えないようなところです。昭和39年に建てられた旧役場は、合併後は坊津支所久志庁舎となり、平成24年の組織再編で久志出張所に変更。昨年4月1日に出張所が久志地区公民館に移転したため閉鎖されました。
旧役場を撮影していると通りかかった地元のお婆さんに「役場、そのうち崩すの?」と聞かれました。
坊津町久志を後に、笠沙へ。ナビを信じたばかりに県道272号久志大浦線という酷道に案内されて身のすくむ思いをしました。
笠沙支所は昭和47年に建てられた旧笠沙町役場で、野間半島の付け根にあたる片浦の高台の国道沿いに建っています。昨年9月26日より移転改修工事中で、工期は2月22日まで、移転は4月を予定とのこと。詳細は不明ですがおそらく敷地内の保健センターにでも移転するものと思われます。
この日予定していた行程はひとまずこれで終了。薩摩半島の先端まで来るのはこれが初めてですが、坊岬や野間岬へは次回またゆっくりと来ることにしましょう。消えゆく大合併前の庁舎をひとまずは記録することができました。
ホテルのある川辺町にはあまり夕食を食べれそうなところが無かったので、加世田のジョイフルへ。九州をドライブしているとどこにでもあるインフラのようなファミレスですが、実は利用するのはこれが初めて。リブステーキが期間限定で200円引きだったのでそれにしました。
この日は川辺の郊外型ビジネスホテルに宿泊。HOTEL AZもまた九州を走っていてよく見かけるチェーンで、創業者はジョイフルと同じ穴見一族です。