まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

2/23 秩父鉄道駅めぐり+みなみ寄居

この日はSAITAMAプラチナルート乗車券で秩父鉄道寄居以西の駅を中心に巡りました。野上以西は以前に訪問済みなので再訪と言うことになりますが、楽しさはいささかも減じることはありませんでした。

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三峰口駅

池袋5:03発各停小川町行き105(32411)、小川町6:30発各停寄居行きY671(8499)、寄居7:05発各停三峰口行き1505(7507)を乗り継いで終点・三峰口へ。狼信仰で知られる三峰神社への下車駅ですが、神社のある旧・大滝村の手前の旧・白川村(→荒川村)に所在しているため、神社へはバスに乗り換えてさらに山奥を目指さねばなりません。険しい秩父の山々を目前に線路が途絶える形ですが、この先大滝村への延伸も計画されていました。駅舎は昭和5年3月15日開業時に建てられた寄棟屋根の木造で、関東の駅百選に選定されています。関東地方でもっとも終着駅風情が感じられる駅の一つでしょう。

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浦山口駅

三峰口8:29発各停羽生行き1516(7504)で浦山口へ。荒川が形成した河岸段丘上にある駅で、集落を見下ろすような立地です。駅前は非常に狭く、駅舎を正面から撮ることはできません。木造駅舎は昭和20~30年代に建てられたと思われるもので、待合室はなく、改札は開放的な造りです。ホームはカーブしており、各車両両端の扉は車両とホームの間が開きすぎて危険だという理由から開きません。乗り入れてくる2扉の西武4000系の場合は両端にしか扉がないので、少し大きな空間を跨いでの乗車となります。

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武州中川駅

浦山口9:04発各停三峰口行き51(4016)で武州中川へ。平成17年の合併で秩父市となった旧・秩父郡荒川村の中心にある駅です。昭和18年荒川村が成立するまでは旧・中川村で、駅名はこの中川村に由来します。「中川」は荒川が村の中央を流れることに由来する村名でした。駅舎は昭和50年代くらいに建てられたと思われるもので、待合室部分のみが前にせり出したようなアンバランスな形をしています。駅舎の線路側の空間では駅員さんがベンチの修繕をしていました。駅の近くにはTHE ALFEE桜井賢さんの実家、桜井太傳治商店があるそうで、桜井さんもこの駅を通学で使ったのでしょう。

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白久駅

影森駅構内踏切の安全確認で5分遅れてきた武州中川9:34発各停三峰口行き11(7502)で白久へ。昭和18年荒川村成立まで存在した旧・秩父郡白川村の駅で、山間の集落の駅といった趣が感じられます。「白川」は「久」「贄」の合成地名で、町村制までは白久村でした。三峰口駅も所在地は白久です。来るだけでも大変そうな駅ですが、硬券入場券は売り切れでした。秩父鉄道ではもっとも利用者が少ない駅です。

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秩父駅

5分遅れの白久9:47発各停羽生行き1520(7707)で秩父へ。秩父地方の中心都市・秩父市の代表駅で、昭和60年3月2日使用開始の駅舎は秩父地域地場産業振興センターを併設した立派なもの。駅ビル内の「じばさん商店街」はリニューアル工事中でした。駅開業時の所在地は秩父神社門前町に由来する秩父郡大宮町で、駅名の後を追うように2年後に秩父町に改称されています。

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御花畑駅

秩父10:36発各停三峰口行き1515(7505)で御花畑へ。西武秩父線との乗換駅ですが、西武秩父駅には直結しておらず、踏切を渡っての乗換えとなります。直通運転までしているのに何とも不便な乗り換えですが、ホームを移設させるのはさすがに無理だとしても連絡通路くらい造ればいいのにと思ってしまいます。2番線は西武線直通の列車しか発着しません。

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大野原駅

御花畑10:45発各停羽生行き1522(7804)で大野原へ。昭和29年に秩父市編入された旧・秩父郡原谷村の駅です。「原谷」は「大野」「黒」の合成地名で、当駅と和銅黒谷駅との間にある貨物駅には「武州原谷」と名付けられています。駅舎は昭和30~40年代に建てられたと思われるもので、開放的な改札口を挟んで事務室と待合室が配された「秩父型」駅舎。ホーム上屋も古レールを組み合わせたもので、味があります。

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和銅黒谷駅

大野原11:21発各停羽生行き1524(7702)で和銅黒谷(わどうくろや)へ。平成20年に「黒谷」から改称された駅で、日本最古の流通貨幣「和同開珎」に使用された和銅(にぎあかがね)を算出していた和銅遺跡の最寄り駅です。元明天皇慶雲5年1月11日(ユリウス暦708年2月7日)、武蔵国秩父郡から和銅が朝廷に献上されたことを祝い、元号が「和銅」に改められたと言われています。和銅ユリウス暦では708~715年に当たり、元年に和同開珎鋳造、3年に平城京遷都、5年に古事記完成などの出来事がありました。駅名につく元号としてはもっとも古い時代のものです。駅舎は落ち着いた色合いの木造駅舎で、改称に合わせてレトロ調に改装されました。

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親鼻駅

和銅黒谷12:10発各停羽生行き1526(7701)で親鼻へ。美の山公園の最寄り駅で、副駅名は「美の山登山口」。駅舎は昭和末期に建てられたと思われるもので、帽子のような形の屋根が特徴。内部は天井が高いです。構内踏切が公道の踏切を兼ねているのが特徴。硬券入場券は売り切れでした。

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皆野駅

親鼻12:50発各停三峰口行き23(7902)で皆野へ。秩父郡皆野町の玄関口で、急行「秩父路」や「SLパレオエクスプレス」も停車しますが、来月で無人化されます。駅舎は赤いトタン張りの寄棟屋根の木造駅舎。大正3(1914)年10月27日開業時のものかもしれません。硬券入場券は売り切れでした。

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上長瀞駅

皆野13:01発各停羽生行き1528(7705)で上長瀞へ。昭和3年5月15日に「国神」から改称された駅で、旧駅名は昭和30年の合併で皆野町となった旧・秩父郡国神村に由来します。駅自体は長瀞町(改称前は野上町)に所在しますが、皆野町との境界に近いため隣村の名が駅名となったのでしょう。駅舎は高い天井と縦長の屋根が風格を感じさせるもので、恐らく昭和戦前期の改築でしょう。改称に際して観光地の玄関口として改築されたという可能性もあります。向かって左手の軽トラが停まっている部分は団体用改札口の跡で、この駅のかつての栄光が偲ばれます。個人的には好きな駅舎の一つで、無人化後も末永く残ってほしいものだと思います。この日も祝日だけあって多くの同業者と遭遇しましたが、その多くは入場券もしくはスタンプだけが目当てのようで、自分のように団体改札の跡やら案内サインやら上屋の支柱やらまで撮る「駅そのもの」が目当てなのは少数派のようでした。

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野上駅

上長瀞13:35発各停羽生行き1530(5001)で野上へ。秩父郡長瀞町の役場最寄り駅で、急行「秩父路」も停車します。長瀞町は元は野上町を名乗っていましたが、名勝・長瀞が有名なことから昭和47年11月1日に改称されました。駅名は開業時は町村制施行前の村名に由来する「本野上」を名乗っており、昭和4年12月16日に改称されています。駅舎は昭和20~30年代に改築された木造モルタル駅舎で、角ばった印象を受けます。

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長瀞駅

野上13:51発各停三峰口行き1527(7904)で長瀞へ。名勝・長瀞および宝登山神社への下車駅で、休日ともなれば多くの観光客で賑わいを見せます。開業時の駅名は「宝登山」でした。駅舎は明治44(1911)年開業時のものとされ、関東の駅百選に選定されています。訪問日は祝日で利用客が多かったため、駅舎外の団体改札口が出口として使用されていました。

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樋口駅

長瀞14:12発各停羽生行き1532(7707)で樋口へ。昭和18年に野上町に編入された旧・秩父郡樋口村の駅で、ホーム上にこじんまりとした駅舎があります。ホーム上の木造待合室内には窓口跡のようなものがあり、昔(現駅舎完成前?)はここで切符を売っていたのかもしれません。待合室後方には物置などとして使われているスペースが伸びています。

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樋口駅 ホーム上の木造待合室

待合室から線路を挟んだ向かいの空き地(秩父鉄道社有地)には構内踏切に繋がっていたと思しき階段もあるので、昔はこの空き地に駅舎があったのだろうと推測できます。駅舎をホーム上に移したのは駅裏の国道側への利便性を高めるためでしょうか。窓口では入場券7枚と乗車券6枚を買っているおっさんがいて、駅員さんに「これでやめてもらえる?売れすぎて困ってるんだから」と言われていましたが、転売目的でしょうか。「他の駅でもやってるの?」と聞かれて「この駅の切符が欲しいから」と言っていましたが、大方ハッタリでしょう。硬券入場券が売り切れている駅があるのはこういう連中の仕業でしょうね。メルカリなどでは多くの入場券が転売されていることでしょうが、暴力団を利用しないのと同じで、転売ヤーから買ってはいけません。本当に欲しい人が買えるように、転売ヤーは絶滅してほしいものです。

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波久礼駅

樋口14:49発各停羽生行き1534(7802)で波久礼へ。明治21年の町村制で寄居町が誕生するまで存在した旧・榛沢郡末野村の駅です。駅名の由来となったのは長瀞と寄居(そして秩父郡と旧・榛沢郡)の境にある交通の難所、「破崩・端崩(はぐれ)」と呼ばれる崖崩れ多発地帯で、そのままだと読みにくく、字面が悪いことから当て字をしたのでしょう。つい二日前に起きた踏切事故の痕跡はまだ残っていました。

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寄居駅

波久礼15:24発各停羽生行き1536(7803)で寄居へ。大里郡寄居町の玄関口で、東武東上線・JR八高線との乗換駅です。開業は上武鉄道(現:秩父鉄道)が一番古く、それから四半世紀経って東上鉄道、それから8年後に八高北線が乗り入れました。昭和60年ごろ改築の橋上駅舎は秩父鉄道による管理で、改札内で3方向に通路が分かれています。寄居市街を散策し、16:12発羽生行きに乗ろうとしましたが、列車の時間を勘違いして乗り遅れてしまいました。

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桜沢駅

寄居16:49発各停羽生行き1540(7804)で桜沢へ。日曜にも降りましたが、窓口が閉まっていたのでリベンジ、今回は入場券を買ってスタンプも押すことができました。

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みなみ寄居駅

桜沢17:13発各停三峰口行き1539(7902)と寄居17:21発各停小川町行きY1776(81109)でみなみ寄居へ。令和2年10月31日に開業した、東武で最も新しい駅で、本田技研が寄居工場への通勤駅として費用を提供して開業しました。本田技研の工場へは連絡通路で結ばれていますが、駅があるのは人家のない谷底で、「秘境駅」のような雰囲気すら漂っています。本田技研以外の存在しないまさに「専用駅」で海芝浦のような「関係者以外立入禁止」の雰囲気もありますが、駅の外には出ることができます。

みなみ寄居17:55発各停小川町行きY1772(8183)と小川町18:02発急行池袋行き1060(11634)を乗り継いで帰宅しました。