まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

3/22 弥生の土讃線駅巡り(枝川~安和)

この日は土讃線枝川以西の駅を巡りました。高知を5:39発普通窪川行き4711D(1018)で出発。車両不具合によりエンジンを止めて点検したため高知を12分遅れで発車しましたが、西佐川から定刻に戻りました。

安和駅

安和駅

安和(あわ)で下車。太平洋を目の前に望む景色のいい駅です。駅舎は無人化後に撤去され、島式ホームも棒線化されています。四国の海を望む絶景駅といえば下灘駅が有名ですが、そちらが観光地化されてしまっているのに対し、安和駅の方はひっそりとしていて誰に気兼ねすることもなく目の前の絶景を満喫することができます。当地は明治の町村制で新荘村が成立するまでは高岡郡安和村でした。

土佐新荘駅

安和7:37発普通高知行き722D(1001+1010)で土佐新荘へ。須崎市街の西外れにある駅で、待合所には須崎市ゆるキャラ「しんじょう君」とJR四国ゆるキャラ「すまいるえきちゃん、れっちゃくん」が描かれています。駅の南を流れる新荘川は「しんじょう君」のモチーフとなった二ホンカワウソが最後に目撃された川でした。駅は昭和14年11月15日開業。当時の所在地は高岡郡新荘村で、昭和16年1月1日に須崎町編入されました。

古美術おざき

旧:三浦商店

須崎の街並みを見ながら歩いて須崎駅へ。旧須崎郵便局は解体されていました。須崎は古くより港町として栄えたところで、江戸時代には土佐藩代官所が置かれていました。今でも高知県中西部の中心都市ですが、人口は2万を下回っています。

須崎駅

寄り道しながら25分ほどで須崎駅へ。須崎市の代表駅で、当駅を境に窪川方は普通列車の本数が一気に減ります。大正13年3月30日、高知線の起点として開業。高知県初の国鉄路線は当駅から高知方面へと建設が進められました。当時の所在地は高岡郡須崎町で、昭和29年10月1日の合併時に市制施行して須崎市となっています。

改装前の須崎駅(R2-11-13)

駅舎は昭和30年8月改築の鉄筋コンクリート造平屋建て。「高知県鉄道発祥の地」であることにちなんで令和3年12月に鉄道の本場・英国レトロ風に改装されています。前回訪問時の地味な印象からは一変、町の玄関口としてふさわしい明るい印象の駅に生まれ変わりました。

多ノ郷駅

須崎8:16発普通高知行き726D(1028)で多ノ郷へ。須崎市北部の多ノ郷地区にある駅で、朝夕のみ特急「あしずり」が停車します。駅舎は昇格時のもので、改装されて車寄せに「しんじょう君」がデザインされています。昭和17年6月20日に「多ノ郷信号場」として開業、昭和20年9月1日にいったん廃止されるも昭和21年7月10日に復活し、昭和22年6月1日に駅に昇格しました。当時の所在地は高岡郡多ノ郷村で、昭和29年10月1日の合併で須崎市となっています。駅からはかつて住友大阪セメント高知工場への専用線が分岐していました。

大間駅

多ノ郷8:32発普通須崎行き717D(1033+1024)で大間へ。須崎市役所や須崎総合高校の最寄り駅で、旧市街とは須崎城址で隔てられた新市街に設置されています。昭和35年10月1日の開業当初から無人駅で、客車列車が多かった時代にはディーゼルカーのみの停車でした。

西佐川駅

大間8:53発普通高知行き728D(1024)で西佐川へ。佐川高校の最寄り駅で、佐川市街や佐川駅から見ると西ではなく北の方向にあります。駅舎は開業時のもので民営化時に改装されました。老朽化により解体が検討されたことがあったものの、地元の要望によって佐川町に譲渡され、平成29年2月23日に改修が完成しました。旧事務室には「仁淀ブルー観光協議所」が入居しています。かつて松山から越知を経て佐川に至る鉄道が計画されたこともありましたが、もし実現していれば当駅が分岐駅となっていたでしょう。

斗賀野駅

西佐川9:30発普通須崎行き721D(1002+1014)で斗賀野へ。佐川町須崎市を隔てる斗賀野峠を控えた駅で、山裾の長閑な駅といった佇まいです。駅舎は開業時のもので、JRから佐川町に譲渡されて平成29年4月1日に改修が完成しました。大正13年3月30日開業時の所在地は高岡郡斗賀野村で、昭和29年3月30日の合併で佐川町になっています。かつては土佐石灰工業大平山鉱山専用線が分岐していましたが、平成4年10月1日に廃止されました。

岡花駅

斗賀野9:54発普通高知行き4730D(1033)で岡花へ。土讃線と国道33号が立体交差する地点にある駅で、昭和35年8月20日に開業しました。ホームだけの簡素な駅で、当初より無人駅でした。駅周辺はかつて高岡郡能津村で、昭和29年10月15日の合併で日高村となっています。

襟野々駅

岡花10:21発普通須崎行き4723D(1010)で襟野々へ。佐川町の田園地帯にある駅で、昭和35年10月1日に開業しました。両側を道路に挟まれた窮屈な立地で、駅舎は当初からありません。ホームには延長の跡が見受けられます。

波川駅

襟野々10:56発普通高知行き4734D(1014+1002)で波川(はかわ)へ。伊野市街の仁淀川対岸にある駅で、昭和39年10月1日に開業しました。当地は明治の町村制で川内村となるまでは高岡郡波川村で、戦国時代には長曾我部氏の家臣・波川玄蕃頭清宗の居城・玄蕃城がありました。高岡郡川内村は昭和29年3月31日の合併で吾川郡伊野町となっています。駅周辺には菜の花や桜が咲いて春らしい風景でした。

土佐加茂駅

2分遅れの波川11:31発普通須崎行き4727D(1001)で土佐加茂へ。佐川町東部の加茂地区にある駅で、古くからの木造駅舎を縮小・改装した曲線屋根の小さな駅舎があります。大正13年3月30日開業時の所在地は高岡郡加茂村で、昭和30年2月10日に佐川町日高村に分割編入されました。駅近くの小学校・中学校は日高村佐川町学校組合立で、両町村の生徒が共に学んでいます。

小村神社前駅

土佐加茂12:04発普通高知行き736D(1010)で小村神社前へ。土佐国二宮・小村神社の最寄り駅で、日高村への産業廃棄物処理施設建設に伴う地域振興策として、平成20年3月15日に開業しました。高知県のJRでは最も新しい駅です。副駅名は「土佐二の宮」

吾桑駅

小村神社前12:27発普通窪川行き4729D(1033)で吾桑(あそう)へ。斗賀野峠南側の山間にある駅で、日中は当駅で列車の交換が行われます。駅舎は昭和12年10月改築で、四国では珍しい原型をよく残した駅舎です。大正13年3月30日開業時の所在地は高岡郡吾桑村で、昭和29年10月1日の合併で須崎市となりました。「吾桑」は吾井ノ郷村と桑田山村の合成地名で、駅は吾井郷地区の集落を見下ろす高台にあります。

日下駅

吾桑13:54発普通高知行き4740D(1018)で日下(くさか)へ。高岡郡日高村の中心部にある駅で、村の玄関口ながら特急は停まりません。駅舎は昭和28年改築で、民営化時に和風に改装されています。昨年10月1日に日高村に譲渡され、耐震化・改修工事のため3月28日より仮待合室での営業となる旨の貼り紙がありました。駅舎の隣のプレハブが仮待合室です。大正13年3月30日に須崎から伸びてきた高知線の終点として開業。当時の所在地は高岡郡日下村で、昭和29年10月15日の合併で日高村となりました。

佐川駅

日下14:49発普通須崎行き733D(1040+1012+1023)で佐川へ。牧野富太郎博士の出身地・高岡郡佐川町の玄関口で、特急も停車します。開業は路線の開業より7カ月遅れた大正13年10月25日で、駅舎は開業時のもの。民営化時に駅舎の改装が行われています。この駅も再訪ですが、牧野博士関連のポスターや展示が増えた以外の変化は特にありませんでした。

枝川駅

佐川15:36発普通土佐山田行き744D(1022+1016)で枝川(えだがわ)へ。伊野商業高校高知県運転免許センターの最寄り駅で、駅前の国道33号上をとさでん交通路面電車が通っています。昭和61年11月1日に枝川臨時乗降場として開業、民営化時に常設駅に昇格しました。バリアフリー化でスロープが新設されたため、ホーム端の階段は封鎖されています。

伊野駅

枝川16:28発普通須崎行き741D(1002+1014)で伊野へ。吾川郡いの町の玄関口で、特急が停車するほか、普通列車の一部が折り返す運行拠点駅です。開業は土佐電気鉄道よりも17年遅い大正13年11月15日で、当時の所在地は吾川郡伊野町でした。駅舎は開業時のもので、かつてはJR四国直営のコンビニが入居していましたが、平成21年3月に撤退しています。細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』に登場する駅のモデルとなったことから、令和3年8月7日にはそれにちなんだラッピングが行われました。

高知駅

伊野16:59発普通土佐山田行き746D(1023+1012+1040)で高知へ。まだ明るいですが、今日の駅巡りはここまで。前日に続き、ホテル タウン錦川に泊まりました。