【北海道ドライブ旅】9/14 留萌本線(現役区間)全駅めぐり 後編
10:21 留萌市から雨竜郡沼田町に入り、恵比島駅へ。駅舎は年季を感じさせる渋い木造駅舎・・・ではなく、右の変な形の小屋です。左はNHKの連続テレビ小説「すずらん」のロケセットとして建てられた「明日萌驛」で、平成10年建設。築21年なのに、本物の駅舎を改修した留萌駅よりも「本物」感があるのはなぜでしょうか。なお、公開日でなかったためか入ることはできませんでした。
恵比島駅の本当の駅舎の方はと言うと、ヨ3500形車掌車を転用したもので、おそらく大和田や幌糠と全く同型のものだったと思われます。但し、「すずらん」のロケを行う際に時代的に合わないと判断されたのか木目の板を外側に貼られてカムフラージュされています。扉が開けっ放しで放置されていたので、中は蛾などが多かったです。
10:43 真布駅へ。仮乗降場として開業した板張りホームの駅で、背の高い木造待合室が見る者に強い印象を与えます。秘境駅としても有名ですが、開けていることもあって、それほど秘境感は感じられませんでした。
立て付けの悪い扉を開けて中に入ると、待合室は想像以上にボロボロ。廃止が計画されるような駅じゃなければとっくに建て替えられててもおかしくなさそうなほどで、まさに満身創痍といった感じ。よくまあ令和時代まで生き延びてくれたものです。
11:04 雨竜郡沼田町の中心、石狩沼田駅へ。さすがは街の中心駅だけあって駅舎も大きく立派です。かつては札沼線の終着駅で、駅舎もなかなか年季を感じさせますが、残念ながら札沼線廃止後の建築です。駅舎内には窓口がありますが、この日は営業していませんでした。今度列車で来るときは営業日を狙って来ようと思います。
11:30 セイコーマートによってご当地入場券を買ってから北秩父別駅へ。真布と同時に仮乗降場として開業した駅ですが、待合室の形は随分と異なります。
ホームはもちろん板張りで、腐食防止のため緑色に塗られています。
待合室の扉は意外と建付けが良く、すんなりと開きました。椅子が薄っぺらいためか、真布駅と比べるとどことなくちゃちに感じられます。扉上部の壁は一部がくり抜かれて裸電球が設置されているのですが、これ、間違いなく虫入りますよね・・・
待合室とホームの間に段差(それもホームの方が高い)もあり、なかなかツッコミどころの多い駅でした。
11:45 秩父別駅へ。無人駅ですが、古い木造駅舎は手入れが行き届いていて地元住民の愛を感じます。扉は石北本線(旭川~上川)でよく見られる油圧式でした。油圧式ドア、設置するのにお金はかかりそうですが、勝手に閉まってくれるおかげで虫が入り込まないので、もっと普及してほしいと思います。
12:02 ご当地入場券を買うべく、道の駅鐘のなるまち・ちっぷべつへ。昼の時報の鐘が12時ちょうどを過ぎても長々と鳴り続けていました。セコマで買ったチキンおにぎりを食べていたとこがねさんが、ここで一言「鶏食えば 鐘が鳴るなり 秩父別」
「秩父別=鐘が鳴る街」というイメージを植え付けるには十分なほどインパクトのある時報でした。
12:13 北一已(きたいちやん)へ。米どころ石狩平野を思わせる広々とした田園地帯の中にポツンとある駅で、木造駅舎が外壁を改修されながらも現役で使用されています。
昭和30年、地元の請願によって開業した駅ですが、駅舎は昭和30年代のものの割には古めのデザイン。それもそのはず、この駅舎は昭和16年に深名線の宇津内駅として建てられたものだからです。
朱鞠内湖畔の原生林の中にあった幻の駅・宇津内駅が存在したのはほんの15年ほどで、戦中戦後の混乱期だったので当時の写真は残っていません。駅跡も林道すら残っているか怪しい森の中なので、未だに到達したという体験談を聞きません。
さて、その駅舎内ですが、とにかく虫と蜘蛛が多かったです。入口部分にも蜘蛛の巣が張られていたので、入る時に引っ掛かりました。天井からぶら下がっているデカい蜘蛛にビビりながらも駅ノートへ記入。なんでか知りませんが、北海道の無人駅にいる蜘蛛って本州で見かける蜘蛛よりもデカい気がします。