まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

12/18 極寒の釜石線駅めぐり(鱒沢~遠野)

IGR駅めぐりの後は釜石線の未訪問駅を片付けていきます

快速はまゆりで遠野へ

昼食を買ってから盛岡11:33発快速はまゆり3号釜石行き3623D(キハ110-5+キハ110-1+キハ110-4)に乗車して遠野へ。花巻からは進行方向が変わり、釜石線へと入ります。駅めぐりで冷え切った身体を休めるにはちょうどいい1時間半の乗車時間でした。

遠野駅

遠野駅は二度目の訪問。前回は列車交換待ちでの撮影で、今回も列車待ちのわずかな時間での撮影となりました。遠野物語で有名な遠野市の代表駅で、釜石線の途中駅では最大の駅です。大正3年4月に遠野と仙人峠を結ぶ岩手軽便鉄道の貨物駅として開業、翌月より旅客営業を開始しました。岩手軽便鉄道軌間762㎜の軽便鉄道で、国有化後の昭和24年12月に花巻~遠野間、翌25年10月に遠野~足ヶ瀬間が改軌され、同時に足ヶ瀬陸中大橋間が延伸されて釜石線が全通しています。駅舎は釜石線全通に合わせて改築されたもので、国内では珍しい硬質コンクリートブロック造の駅舎です。かつては2階に「フォルクローロ遠野」というホテルが営業していましたが、老朽化により平成27年3月14日で閉館しています。駅舎については老朽化で建て替えるという話が数年前から出ていますが、予算面から協議が滞っているようです。当分はその美しい姿を見ることができるでしょうが、今見ておいた方がいいでしょうね。

鱒沢駅

3分遅れの遠野13:08発普通花巻行き660D(キハ100-13)で鱒沢へ。島式ホームの交換可能駅で、快速「はまゆり」は当駅で行き違いを行う5号と6号のみが停車します。大正4年10月、岩手軽便鉄道鱒沢(初代)~柏木平間の延伸時に「宇洞(うとう)」駅として開業、大正13年12月の改称で二代目の鱒沢駅となりました。初代鱒沢駅は同時に「中鱒沢」に改称され、昭和3年6月に廃止されています。開業時の所在地は上閉伊郡鱒沢村で、昭和30年6月の合併で宮守村となり、平成17年10月の合併で遠野市となりました。

鱒沢駅 待合室

 

駅は国道283号を挟んで猿ヶ石川と向かい合う立地で、鱒沢地区の中心は川の対岸にあるため駅前に建物は多くありません。かつてあった駅舎は撤去され、ホーム上には盛岡支社管内標準仕様のログハウス風木造待合室(平成9年2月築)が建てられています。

上鱒沢23地割

40分ほど歩いて隣の荒谷前へ。景色は白一色。時折吹雪いて視界が利かなくなります。釜石線の本数がもう少し多ければこうして寒い中歩かなくて済むのですが、歩くからこそ見える景色もあるのでなんだかんだ楽しかったりもします。

荒谷前駅

荒谷前駅は鱒沢駅が改称されたのと同じ大正13年12月に「岩谷停留場」として開業。当初から駅舎のないホームだけの駅でした。改軌時にほぼ全ての駅が改築された釜石線では珍しく岩手軽便鉄道時代の石積みホームを嵩上げ・継ぎ足しして使っています。ホーム上には木造待合室があり、恐らく昭和24年12月改軌時に建てられたものでしょう。駅があるのは上鱒沢の集落で、駅前には宮守村立上鱒沢小学校跡に建てられた多目的集会所があります。遠野七観音第四番札所、鞍迫観音のある福滝寺の最寄り駅。

岩手二日町

荒谷前15:30発普通釜石行き657D(キハ100-27)で岩手二日町へ。大正3年12月、遠野~鱒沢(初)間の延伸時に「二日町停留場」として開業した駅で、大正13年12月に「岩手二日町」に改称されました。この手の改称は往々にして駅名の重複を避けるために行われるものですが、改称時点では越美南線二日町駅(現:白鳥高原駅)も駿豆線三島二日町駅仙台市電二日町停留場も未開業で、わざわざ「岩手」を冠する必要はあったのかと思わずにはいられません。大正5年には停留場から駅に変更(交換設備新設?)されましたが、平成5年10月のCTC化で交換設備撤去・無人化され、駅舎も平成8年頃に撤去されています。代わりに建った待合室は鱒沢でも見たログハウス風。写真を比較すると窓一つ分小さいですが、利用者数の違いによるものでしょうか。

綾織駅

またしても雪の吹きつける中30分ほど歩き、綾織へ。大正3年12月、遠野~鱒沢(初)間の延伸時に開業した駅で、こちらは当初から駅でした。昭和29年の遠野市成立まで存在した旧:上閉伊郡綾織村の名を今に伝えていますが、駅のある新里(にっさと)地区は明治22年の町村制までは西閉伊郡新里村だったところで、岩手二日町の方が本来の綾織(上綾織)にあたります。「綾織」の地名については天女の羽衣伝説が由来との伝説があるのはいかにも遠野物語の里といった感じです。

夜の遠野駅

綾織16:55発普通釜石行き659D(キハ100-13)で遠野へ。乗りこんだ車内で濡れた床に滑って転倒して近くに座っていたおばあさんに心配されました。4時間ぶりに戻ってきた遠野駅はすっかり夜の帳が下りていました。冷え込みも一層激しく、指がかじかんでスマホの操作にも苦労するほどです。

紙風船 かつ丼(790円)

ホテルに入る前に夕食と行きたいところですが、事前に調べていた飲食店はいずれも営業しておらず、駅近くにはコンビニが一軒もありません。暗く寒い町で途方に暮れましたが、調べてみると遠野市役所隣にショッピングセンターがあるとのこと。そこのスーパーで何か買おうと行ってみると、幸いにもフードコートがあったので温かい食事にありつくことができました。ショッピングセンターのフードコートをこんなにもありがたく思った経験は人生で初めてです。夕食の後は駅前のホテルきくゆうに宿泊しました。