まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

6/10 三河・遠江をドライブ(保存車・旧郵便局・三河田口駅跡など)

例のウイルスによる騒動もようやく落ち着いてきた6月上旬、友人と共に愛知県東部・静岡県西部をドライブしてきました。

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早朝の豊橋に到着

東京日本橋を22:30に出発した東京VIPライナー名古屋1便が豊橋駅前に到着したのは4:26

さすがに日の長い6月ともなれば4時台でも十分な明るさがあります。こんなに明るいのに街には人影もなく列車も動いていないとなると不思議な感じがします。

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豊橋鉄道3203

6時近くなってようやく路面電車が動き出します。2時間ほど豊橋鉄道東田本線を撮影し続けましたが、ひっきりなしにやってくる電車がどれも学生で満員になる豊橋の朝ラッシュの激しさはなかなかのものです。

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豊橋鉄道ク7202保存車

レンタカーを借りてまずは豊橋市郊外の一幸建設敷地内に置かれている豊橋鉄道ク7202を見に行きました。名鉄7300系を譲り受け、昇圧による渥美線近代化と車両統一に貢献した車両ですが、足の遅さと2扉クロスシートがネックとなり、わずか3年で元東急7200系の1800系に置き換えられて廃車となりました。そんな悲運の車両の割には保存車が多いのも特徴で、確認出来る限り、愛知県豊橋市静岡県森町・大阪府河内長野市奈良県野迫川村に現存しています。豊橋市内のク7202は建設会社の看板としての役目を果たしているようでした。

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田原市赤羽根行政センター(旧渥美郡赤羽町役場)

続いて知多半島を西へ向かい、旧赤羽根町役場へ。庁舎は昭和53年3月7日に竣工したもので、立派な車寄せが特徴。玄関ホールには竣工当時の総理大臣・福田赳夫の揮毫した「赤羽根町役場」の扁額が飾られています。赤羽根町は平成15年の合併で田原市となりました。

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豊橋鉄道デワ11

少し北上し、サンテパルクたはらへ。駐車場に豊橋鉄道の車両が保存されています。そのうち真っ黒なデワ11は、渥美電鉄が開業時に日本車輛で製造した木造単車デハ102がルーツで、戦時中に電動貨車へと改造されて入換用として平成まで生き残っていました。改造されているとはいえ木造単車自体ほとんど残っておらず、かなり貴重な存在といえます。

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豊橋鉄道デキ211

もう一両のデキ211は、名鉄豊橋線の前身である愛知電気鉄道が大正14年に日本車輛で製造したデキ362をルーツとする凸型電機で、昭和59年の貨物廃止後も入換用として残っていました。2両とも模型にしたくなるような好ましいスタイルで、屋外保存の割に状態は悪くなさそうです。

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新旧の泉郵便局

サンテパルクたはらを後に、旧泉郵便局へ。昭和8年に建てられた平屋の旧局舎が現局舎に隣接して残っています。田原市には他に旧野田郵便局も残っていたそうですが、地図を頼りに行ってみると更地で、いつの間にか解体されてしまったようです。

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菊川市役所小笠支所(旧小笠郡小笠町役場)

向きを180度変えて今度は東へ。県境を越えて浜名湖を横目に見てしばらく走り、菊川市小笠支所の旧庁舎へ。定礎によれば昭和45年8月に建てられた旧小笠町役場で、平成17年に菊川町と合併して菊川市となってからもしばらくは支所として使われていました。平成29年に新庁舎に移転してからは閉鎖されているようです。隣接して水道事務所があるので、ひょっとするとそちらの物置として使われているのかもしれません。

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ねむのき学園のバスと名鉄563

続いて掛川市の山奥にあるねむのき学園入口へ。何もないキツイ山道の先に突然バスと電車が現れるので驚きますが、実は電車の裏手の木の奥に施設があります。バスは昭和55年に日野自動車で製造されたものですが、どこの事業者で使われていたのかは不明。電車の方は昭和31年に北陸鉄道金沢市内線モハ2203として製造されたもので、昭和42年の路線廃止に伴って名鉄に譲渡され、昭和58年まで使用されました。割と最近黄緑に塗り直されたようです。

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豊橋鉄道モ7303

山を下りて周智郡森町へ。フェンスで囲われた広い空き地の真ん中に豊橋鉄道7300系がポツンと置かれています。あまりに酷い雨だったので数枚だけ撮って撤退しました。

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天竜二俣

続いて天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅へ。二俣線開業80周年記念入場券を購入。二俣線は良い駅舎が多いそうなのでいつかゆっくりと駅めぐりをしてみたいと思います。

この後、駐車中の車内でコンビニ弁当を食べたのですが、これがこの後の行程にとって良くない事態を招くこととなります。

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浦川郵便局

二俣からは県道295号、9号などを通り、飯田線沿線に抜けて旧浦川郵便局へ。この県道9号というのがとんでもない山道で、睡眠不足に食事後というのが重なって、吐く寸前という感じまでに車酔いしました。飯田線沿いに出るまでつづら折りの山道が延々と続くものですから、本当に生きた心地がしません。でもそんな道でも時折集落が現れて、こんな土地にも生活があるのだなと実感させます。大都市圏で育った私には想像もつきませんが、果たしてどのような暮らしなのでしょうか。

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北設楽郡東栄町役場

またちょっとした山越えをして愛知県に入り、東栄町役場へ。東栄町には飯田線が通っていますが、役場のある町の中心は駅から随分と離れたところにあります。庁舎は昭和32年に建てられた古いもので、閉口になった本郷高校の校舎に機能を移転する計画もあったそうですが、結局実現せず古い庁舎での業務が今日も続けられています。

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三河田口駅跡

さらに山を越えて今度は設楽町へ。結構な山奥に突如現れる立派な田口の市街地を一旦通り過ぎて寒狭川沿いに下り、三河田口駅跡へ。昭和43年に廃止された田口鉄道(豊橋鉄道田口線)の終着駅でしたが、この先さらに山間へと森林鉄道が伸びていました。木材運搬の利便性と、地形の都合で田口の市街地から離れた不便な立地でした。駅舎は廃止後も朽ち果てながら残存していましたが、平成23年8月21日に完全に倒壊したそうです。駅跡地は現在建設中の設楽ダムの底に沈む予定なので、見るなら今が最後の機会でしょう。

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ホーム跡から清崎方面を見る

ダム建設工事に伴って整地されたこともあって、駅の痕跡はほとんど失われてしまいましたが、ホームの縁のコンクリートだけが盛り土の下からわずかに顔を見せています。

昭和40年9月17日の水害によって清崎~三河田口間が不通となり、その後復旧することなく廃止となったため、この駅に列車が来なくなってから実に55年の年月が経つことになります。湖底の底に沈むことになるまであと6年、森林鉄道の痕跡の方も気になるので就活が終わったらまた来たいと思いますが、果たしてその時この駅は立入り可能なまま残っているでしょうか。

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田口鉄道モハ14

三河田口駅跡の次は奥三河郷土館へ。田口鉄道で活躍していたモハ14が保存されています。大正14年の電化時に豊川鉄道が製造した木造電車で、国有化を経て田口鉄道に譲渡され、廃止まで活躍しました。奥三河郷土館は現在休館中で来年をめどに清崎駅跡近くに移転予定で、モハ14もそれに合わせて移設されるとのことです。

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大草トンネル

続いて三河大草駅を目指しましたが、どうやら駅跡は大草トンネルの先の模様、時刻も18:38と暗くなってきている上に懐中電灯もないのでトンネルを越えて駅跡へ向かうのは諦めました。またいずれリベンジすることにしましょう。

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新城市鳳来総合支所(南設楽郡鳳来町役場)

日が暮れる前になんとか山を下り、鳳来総合支所へ。平成17年の合併で新城市となった旧鳳来町役場で、昭和45年竣工。老朽化が進むことから再開発される予定です。

ちなみに合併時の鳳来町長は現新城市長の穂積亮次で、岡山大学北津寮襲撃事件で寮生を殺害し、指名手配された経歴を持つ人物だそうです。

 

この日は来来亭豊川店で夕食を取ってから快活クラブ豊川インター店に宿泊しました。翌日も奥三河方面へと向かいます。