まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

12/31 大晦日の紀勢本線(熊野エリア)駅めぐり

令和4年最後の日、紀勢本線熊野エリアの駅を巡りました

新宮駅

紀三井寺を6:10発普通紀伊田辺行き321M(クモハ226-1029)で出発し、紀伊田辺で7:50発普通新宮行き2329M(クモハ226-1024)に乗り換えて新宮へ。実に7年9か月ぶりの再訪で、前回あったみどりの窓口は券売機プラスに変わっていました。熊野地方の中心都市・新宮市の代表駅で、大正2年3月1日に新宮鉄道の駅として開業。昭和9年7月の買収で紀勢中線の駅となり、昭和13年5月に現在地に移転しています。駅舎は昭和27年12月竣工の3代目で、ガラス張りの近代的なデザインのおかげか、とても築70年以上の駅舎とは思えません。

紀伊市木駅

新宮10:52発普通多気行き328C(キハ25-1608)で紀伊市木へ。昭和33年9月の御浜町成立まで存在した旧:南牟婁郡市木尾呂志村の駅で、昭和31年9月の合併までは市木村でした。駅は昭和15年8月の紀勢西線新宮~紀伊木本(現:熊野市)間の開業時に開設。開業時の木造駅舎が長らく残っていたものの、平成27年11月下旬から解体され、平成28年2月に簡易駅舎に改築されました。駅舎は締切不可の非常に簡素なもので、これならまだ四国の銀の箱の方が居住性が良さそうだと感じます。

紀伊市木駅前の風景

駅があるのは下市木の集落を見下ろす高台で、駅前からは山の麓にみかん畑が広がる市木の風景を眺めることができます。紀伊市木駅がある御浜町はみかんの生産が盛んなところで、年中様々な品種が出荷されています。

緑橋防潮水門

紀伊市木駅を後に、国道42号を歩いて阿田和駅方面へ。市木川を渡る橋の部分では国道に歩道がないため、旧道に迂回しました。旧道が市木川を跨ぐ地点に架けられた緑橋は防潮水門を兼ねていて、大正7年竣工。石材と煉瓦を組み合わせた、歴史ある構造物で、土木学会選奨土木遺産となっています。訪問時は耐震工事中でした。

南牟婁郡御浜町役場

市木川を渡って国道に戻り、しばらく歩くと右手に南牟婁郡御浜町役場が見えてきました。御浜町は昭和31年9月に阿田和町・神志山村・市木尾呂志村が合併して誕生した町で、町名は熊野灘に面した七里御浜に由来します。役場は阿田和地区に置かれており、庁舎はおそらく平成10年竣工。

阿田和駅

さらにしばらく行くと阿田和駅に到着。紀伊市木と同じく昭和15年8月の紀勢西線新宮~紀伊木本(現:熊野市)間の開業時に開設。駅舎は開業時のもので、「昭和14年12月」の建物財産標が付いています。南牟婁郡阿田和町の玄関口として多くの利用が見込まれたためか、周辺駅と比べると立派な木造モルタル駅舎で、高い天井が風格を感じさせます。

Bランチ(さばふぐの竜田揚げ)

ちょうどお昼時で、次の列車まで時間もあるので、駅前の道の駅パーク七里御浜にあるレストラン「ごちそうダイニング by 辻さん家」で昼食。一年で最後の昼食ということで奮発して1540円のさばふぐ竜田揚げを頂きました。

紀伊井田駅

阿田和13:05発普通新宮行き329C(キハ25-1502)で紀伊井田へ。平成18年1月に鵜殿村と合併した南牟婁郡紀宝町の駅で、昭和29年10月の紀宝町成立までは井田村でした。合併前は紀宝町唯一の駅でしたが、合併で役場が鵜殿に移ったことで、町の玄関口も鵜殿駅に移っています。昭和15年8月の紀勢西線新宮~紀伊木本(現:熊野市)間の開業時に開設。紀伊市木同様に木造駅舎が近年まで残っていましたが、平成24年に解体されて簡素な待合所に変わっています。(建物財産標の表記は平成24年9月)

新鹿駅

紀伊井田13:38発普通紀伊長島行き330C(キハ25-1613)で新鹿へ。昭和31年4月、紀伊木本(現:熊野市)から伸びてきた紀勢西線の終点として開業した駅で、昭和34年7月の当駅~三木里間開業を以て紀勢本線は全通することになりました。駅のある新鹿(あたしか)地区は昭和29年11月の熊野市成立までは南牟婁郡新鹿村で、駅は高台にあるものの、建物に遮られて海は見えません。駅舎は開業時のもの(建物財産標は昭和30年12月)で、木製の引き戸が残っています。

新鹿海水浴場

次の列車までは2時間あるので、集落を下って海水浴場へ。新鹿海水浴場は鉄道開通を前に昭和28年に開かれたもので、鉄道開通を機に海水浴客で賑わうようになりました。山と海に囲まれた新鹿は鉄道開通まで陸上交通に恵まれない「陸の孤島」だったところで、外とのやり取りは専ら船に頼っていたようです。

周参見駅

新鹿16:23発普通新宮行き331C(キハ25-1514)で帰途に就きます。新宮で17:10発普通紀伊田辺行き2340M(クモハ227-1023)に乗り換え。途中、周参見で22分の停車があったのでこれを機会に訪問。令和4年最後の訪問駅となりました。西牟婁郡すさみ町の玄関口で、特急「くろしお」を含め全列車が停車します。昭和11年10月、紀伊椿(現:椿)から伸びてきた紀勢西線の終点として開業、昭和13年9月の江住延伸で途中駅となりました。平成12年3月改築の駅舎は「すさみ町民コミュニティープラザ」との合築で、日中は観光案内所と喫茶店も営業しています。かつてはみどりの窓口もありましたが、令和3年5月31日で営業を終了、翌日より無人駅となりました。

紀伊田辺からは20:39発普通和歌山行き396M(クモハ223-2511)に乗車。紀三井寺の祖母宅で新年を迎えました。