8/4 室蘭本線駅めぐり その3 秘境駅小幌へ
眠れぬ辛い夜が明け、4時ごろようやく空が明るくなってきました。結局一時間くらいしか眠れていないのではないでしょうか。これほど朝が待ち遠しかったのは人生で初めてです。
静狩駅の駅舎は昭和15年4月に改築された古い木造駅舎で、平成14年に地元の人たちの手によって木目調にリニューアルされました。雰囲気はいいですが、とにかく虫が多かったです。
せっかくなので駅近くの海岸まで行ってみました。ゴミが多いですが、やはり早朝の海辺というのは気持ちいいものです。昼もこれくらいの気温なら駅めぐりも快適なんですがね。
静狩の集落自体はそこそこ大きいものの、海辺を中心に廃屋が目立ちます。海岸の廃屋を見て何となく尺別を思い出しました。あの時も早朝の散歩が気持ちよかったのを覚えています。早朝散歩こそ駅寝の醍醐味と言っても過言ではないでしょう。
静狩5:47発普通苫小牧行き471D(キハ40-357)で大岸へ。静狩では自分と入れ違いにおじいさんが一人下車しました。降り立った大岸駅は海を望むロケーションの美しい駅です。
駅舎の前に木が立っているのも特徴。待合室内は掃除が行き届いていて快適でした。駅ノートの書き込みからも駅に対する愛が感じられます。窓が大きいので、ホームの向こうの海がよく見えます。とにかく落ち着く空間なのでまた来たいと思いました。
大岸6:58発普通東室蘭行き475D(キハ40-1772+キハ40-1816+キハ40-359)で崎守へ。
築堤上にある対向式ホームの高架駅で、北海道の大動脈たる幹線の駅らしく重厚な造りですが、駅舎や待合室はありません。一見都会的な造りな駅なのに緑が多いのがミスマッチで面白いと感じました。
私がこの駅について知ったのは「JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅」という本がきっかけなのですが、その本に載っていた駅を見下ろすカットが撮りたかったので高台を走る国道へ。駅からまっすぐ行ける道がない上に、歩道のスペースも十分でないので高速でかっ飛ばす車に轢かれやしないかひやひやしながら撮影しました。高台からは駅と海を絡めた写真も撮れるし、何より眺めがきれいなので苦労して坂を上った甲斐がありました。
崎守駅の近くには「ムロラン地名発祥の坂」というのがあります。室蘭の地名の由来は「モ・ルエラニ(小さな下り路)」というアイヌ語だそうで、確かブラタモリでもこの場所が映っていたように思います。
崎守駅から海辺の道を40分ほど歩いて黄金駅へ。あまりにも暑いので途中のローソンで炭酸を買って飲みました。開業時は「黄金蘂(おこんしべ)」を名乗っていました。海を望むロケーションの駅で、運が良ければ有珠山と羊蹄山を望むことができるそうです。駅ノートを読んでいると、目の前を青い綺麗なトカゲが横切ったので、写真を撮ろうしたら灰皿の下の逃げ込まれてしまいました。
黄金10:32発普通豊浦行き474D(キハ40-353)で洞爺へ。開業時は「虻田」を名乗っていた駅で、昭和37年に改称されました。サミット開催地として世界的に有名になった洞爺湖への玄関口だけあって観光客の姿が多いです。「スーパー北斗2号」を除くすべての特急が停車するため、当然みどりの窓口も設置されています。
洞爺11:25発普通東室蘭行き477D(キハ40-355)と東室蘭12:28発普通室蘭行き434D(キハ40-351)を乗り継いで母恋へ。観光地・地球岬への玄関口だけあって観光地らしい雰囲気の駅です。しかしながら駅自体はごく普通の街中にあります。
同じ列車からは中国人観光客家族が下車しました。
母恋12:58発普通東室蘭行き4459D(キハ40-351)と東室蘭13:23発普通苫小牧行き4353D(キハ143-157+キハ143-156)を乗り継いで鷲別へ。室蘭市郊外の住宅街の中にある駅で、かつては広大な操車場がありました。
鷲別13:47発普通室蘭行き436D(キハ40-1703)と東室蘭13:55発普通長万部行き478D(キハ40-351)を乗り継いで、小幌へ。言わずと知れた秘境駅で、同じ列車からは親子連れ2組と中年男性2人連れ、実況配信者らしき若い男性、手ぶらのおじさんが下車しました。人の数だけ見ればもはや秘境ではありません。
なんせ人が多いので、人が写りこまないように写真を撮るのはもはや不可能です。譲り合いの精神で写真を撮っていくのが一番いい方法でしょうね。
行ってみて初めて気づいたことですが、トンネルの合間にあるので列車の通過前後は列車の排ガスが充満して結構臭いです。
憧れの場所にようやく来れたという喜びはありますが、日当たりが良すぎて写真が白飛びしがちなのには困りました。曇りや雪の日の方が雰囲気は出るでしょうね。
正直大岸駅に降りたときの方が喜びは大きかったかなという感じです。
小幌15:44発普通東室蘭行き481D(キハ150-110)で伊達紋別へ。途中下車制度を利用して降りた親子連れ一組以外はみんなこの列車で小幌を後にしましたが、入れ違いに2人が下車しました。
伊達紋別は、亘理伊達氏の伊達邦成とその家臣団が入植したことから名づけられた伊達市の代表駅で、駅舎も立派な洋風のものです。もちろん特急停車駅で、みどりの窓口も設置されています。
伊達紋別からは長万部行きと函館行きを乗り継いでひたすら五稜郭を目指しました。
長万部から乗車したのは18:15発普通函館行き822D(キハ40-1792)。昨年乗った時と同様、森での26分間の停車時間を利用して夕食を購入しました。
五稜郭には21:15着。歩いてフェリーターミナルに向かい、23:30発の青函フェリーで本州へと渡りました。
令和元年8月4日
新規訪問駅:8
総訪問駅:3127