8/6 夏のIGRいわて銀河鉄道駅めぐり
この日の駅めぐりは盛岡駅からスタート。昼までIGRいわて銀河鉄道の駅を巡ります。
まずは盛岡6:42発普通八戸行き4521M(IGR7001-102)で渋民へ。石川啄木の出身地として有名な旧北岩手郡渋民村(戦後は岩手郡玉山村)の駅ですが、昭和18年に信号場として開業し、昭和25年に昇格した駅なので、啄木の生前には存在すらしていませんでした。駅舎はちょっと変わった形をしていますが、増築でもしたのでしょうか。
渋民7:15発普通日詰行き1922D(キハ112-115+キハ111-115+キハ112-112+キハ111-112)で巣子へ。転換後の平成18年3月に開業した新しい駅で、ホームは単式ホームを2つ並べたものですが、上りホームは下りホームより一段高い所にあります。周辺は盛岡のベッドタウンといった感じで、利用者も一日千人と多いため、ローカル駅には珍しくエレベータ―が設置されています。明るい雰囲気の駅舎は内部に木材が多用されています。所在地は平成18年に市制施行した滝沢市ですが、駅前のマンホールは滝沢村時代のままでした。
巣子7:44発普通二戸行き4523M(IGR7001-2)で一戸へ。二戸郡一戸町の玄関口で、JR時代は特急も停車していました。駅舎は転換後にリニューアルされ、平成27年8月にはキオスク跡にミニストップが開店しています。新幹線開業によって特急が停まらなくなった駅というのはとかく寂れがちなものですが、ミニストップのおかげもあってか一戸駅は活気に溢れています。駅舎内へのコンビニ誘致は駅を人の集まる場所にするという点ではいいアイデアだと思うので、これからの時代どんどん広がっていってほしいと思います。駅舎の2階にはFM岩手の支局も入居しており、大きな駅舎は余すことなく活用されています。これも東京に本社のあるJRではなく地元密着のローカル鉄道だからこそできることでしょう。
一戸8:55発普通盛岡行き4522M(IGR7000-2)で岩手川口へ。開業時は川口駅を名乗っていましたが、京浜東北線の川口町駅に駅名を譲って昭和9年に改称されています。
真新しい駅舎は地元岩手町の特産品であるキャベツをイメージしたドーム型のデザインです。全国には色々なものをモチーフにした駅舎がありますが、野菜をモチーフにした駅というのはここ以外に聞いた覚えがありません。
駅舎内はと言うと結構お洒落で、ロフトまであります。螺旋階段を上ったところには展示スペースがあり、岩手川口で幼少期を過ごした薄命の宝塚女優・園井恵子さんについての展示がありました。
駅舎内は清潔な上にクーラーが効いていて居心地がいいですが、残念ながら滞在時間は10分ほど。再訪してじっくりと見たいと思う平成最後の傑作駅舎でした。
岩手川口10:40発普通八戸行き4525M(青い森701-2)で御堂へ。山間の小集落にある小さな駅で、昭和30年代テイストの切妻屋根の駅舎があります。待合室はいかにも昔の田舎の駅といった雰囲気で、どことなく懐かしい感じがします。置かれているストーブを見て秒速5センチメートルに出てきた岩舟駅の待合室(実際は三厩駅をモデルにしたそうですが)を思い出しました。
待合室ではおばちゃん二人が世間話をしていましたが、訛りがかなり強くてほとんど聞聞き取れず、まるでどこか遠い国の言葉のようでした。ふとした瞬間に遠くへ来たなと感じます。
御堂10:11発普通盛岡行き4524M(IGR7000-102)で好摩へ。ここは3月に花輪線の駅を巡った時にも来ましたが、その時は夜だったので雰囲気がよく分かりませんでした。
駅舎は立派な半橋上駅舎ですが、クーラーが効いているのは改札口前の待合室だけです。
東口を撮影していると目の前をアゲハのつがいがひらひらと線路の方へ飛んでいきました。夏は虫にとって繁殖の季節、暑さに負けず飛び回っていました。
西口の階段の踊り場ではノシメトンボのつがい2組も見かけましたが、跨線橋内で飛んでいてちゃんと出られるのか心配になります。
好摩10:43発普通金田一温泉行き4527M(IGR7001-2)で小鳥谷へ。明治24年9月開業時のものかもしれない古そうな木造駅舎が現役です。駅事務室の一部は農産物直売所「ニコニコ駅こずや」として使用されています。
暑さを我慢して周辺をちょっとだけ歩いてみましたが、なかなかいい感じの建物が多かったです。
駅舎の前に座っていたおばあさん曰く、今年は雨が少なく異常に暑いのだそうです。駅のことについて少し尋ねてみると、「昔は入ってすぐ右手に切符売り場があって、待合室内には売店もあった」とのこと。
古い駅舎のホーム側は鉢植えの花で彩られており、利用者の目を和ませてくれます。
初老の駅員さんがじょうろで水やりしていましたが、暑い中ご苦労様です。
小鳥谷12:01発普通盛岡行き4526M(IGR7000-2)で終点の盛岡へ。午後は東北本線の駅を巡りつつ仙台都市圏まで南下します。