8/20 夏の北海道遠征 七日目 根室本線駅めぐり+清水沢駅訪問
七日目の朝も日の出前の4:30に起床
徐々に明るくなっていく空の色が美しいです
水平線から上る朝日とそれを受けて輝く尺別の駅舎
2番ホーム上の上屋も朝日を受けて赤く染まっています
尺別の駅舎は片流れ屋根の木造駅舎で、デザインから見るとおそらく昭和20年代の改築でしょう
そんな尺別駅も来年3月ダイヤ改正での廃止が決まっています
駅周辺を歩くと目につくのは崩れた廃屋ばかり
かつては駅周辺にも数千人が暮らしていました
廃屋ばかりの集落を抜けた先に現れるのが映画「ハナミズキ」でガッキー演じる主人公・平沢紗枝の家として撮影に使用された家です
映画で庭に植えられていたハナミズキの木は一時的に植えられただけのものだったようで、10年も経っているのだから当たり前と言えば当たり前ですが跡形もありません
ちょうど厚内からの始発列車となるべく回送されていく2両のキハ40が通過
ハナミズキの撮影に使われた家の横の小道を進んでいくと海に出ます
朝早くからおじさんたちが釣りをしていました
「ここだと何が釣れるんですか」と聞いてみたものの「女が釣れる」とおじさん特有の冗談で返されてしまったので結局何が釣れるのかはわからずじまい
駅に戻って、待合室で駅ノートへの記入を済ませます
待合室の壁には尺別炭鉱についての記事などが貼られており、ちょっとした資料館のような感じでした
2番ホームに厚内始発の6:26発普通釧路行き2571Dが到着
この列車は隣の厚内で乗車予定の上り始発列車とすれ違います
上り始発列車となる6:45発普通新得行き2522D(キハ40-1765)で後ろ髪を引かれつつ尺別を後にします。3月の廃止までにもう一度くらい来たいものですが果たして来れるでしょうか
2522Dは厚内で14分間停車し、下り2521Dとの列車交換と特急スーパーおおぞら2号の通過待ちを行います
厚内の駅舎は古い木造駅舎をリニューアルしたもので、かつては旧事務室部分に飲食店が入居していましたが、現在は廃業しています
7:21 上厚内信号場を通過
昨年3月のダイヤ改正で信号場化された駅で、駅舎は現役当時とほとんど変わらない姿で健在でした。信号場化された駅の駅舎はその後も保線作業員の宿所などとして残されることが多いので今後も安泰だろうと勝手に思っていましたが、9月10日から解体が始まり、17日には姿を完全に消してしまいました
そんな上厚内駅の現役当時(H27-12-25撮影)
昭和28年改築の木造駅舎で、入口扉から窓枠まで全てが木のままでした
8:21着の幕別で下車
駅舎は昭和32年に改築されたブロック造りの大きなものです
駅から徒歩で牛尾建材センター(初代幕別町役場)へ
90年近く前に建てられた旧役場が今も残っているのは奇跡に近いことだと思うし、町の発展を伝える貴重な遺産なのでこの建物が旧役場であることを伝える看板くらい設置してもいいと思うのですが
牛尾建材の看板が取り付けられた以外に建物には驚くくらいに変化がなくよくまあ50年経ってもここまで変わらずにいてくれたなと思わずにはいられません
続いて現在の幕別町役場へ
9:16発普通帯広行き2544D(キハ40-1737)で幕別を後にします
帯広で10:04発普通新得行き9430D(キハ40-1779)に乗り換えて御影へ
乗ってきた車両は「道東 森の恵み」でした
コンクリートの駅舎は断熱性が高いのか駅舎内はひんやりとしていて涼しかったです
御影11:05発快速帯広行き9425D(キハ40-1765)で西帯広へ
帯広市郊外の住宅街にある駅で、駅舎は平成13年に改築された簡易駅舎
待合室内の一つしかないベンチは既におじいさんに座られていて、また待合室内にはクーラーがなく風通しが悪かったので跨線橋の下の日陰で次の列車を待ちました
西帯広12:27発普通帯広行き2547D(キハ40-1779)で柏林台へ
3日前に訪問した石北本線柏陽駅と似たような構造の駅です
ただし平成8年高架化のためこちらの方がデザインは近代的です
柏陽はホーム上にベンチがありましたが、柏林台にはありません
芽室からは13:40発特急スーパーとかち8号38D(キハ261-1204)に乗車
石勝線に入り、新夕張には15:12着
窓口は応対中だったので記念の切符は後で買おうと、近くのコンビニで飲み物を調達してから戻ってきたら窓口の営業時間は既に終わっていました
新夕張15:56発普通夕張行き2631D(キハ40-1784)で夕張支線のうち未訪問のまま残っている清水沢を目指します。夕張支線は来年4月の廃止が決定しており、これが乗車する最後の機会となりそうです
清水沢には16:08着
同じ列車に乗っていた鉄道ファンは終点夕張まで行って引き返してくるだけのようで、自分以外には地元のおばあさんが降りただけでした
駅舎は昭和31年に改築された大きなもので無人化後に使われなくなって塞がれたと思われる窓が痛々しいです
駅舎内には駅の昔の写真などが貼られていました
大夕張鉄道の分岐駅だった頃の栄華を伝える広い構内
交換設備の撤去後、跨線橋は撤去されホームまで一直線に行ける通路が設けられました
列車のほとんど来なくなった寂しい駅構内の上を赤とんぼが盛んに飛び交っていました。赤とんぼたちはここに炭鉱ができて鉄道が引かれるずっと前からこうした営みを気の遠くなるような昔から続けてきたのでしょうか、そしてこれからも毎年続けていくのでしょうか。炭鉱町の栄枯盛衰なんて自然の営みに比べればほんの一瞬の出来事なのでしょう
16:51発普通千歳行き2632D(キハ40-1784)で清水沢を後にします
おそらく廃止前に夕張支線に来ることはもうないでしょうが、廃止前に全駅訪問を達成することができてよかったです
十三里信号場で特急の通過待ちのため数分間停車
終点の千歳には18:26着
架線の張られた都会的な高架駅に停車する単行のキハ40はどこか肩身が狭そうに見えます
千歳からは18:37発快速エアポート185号小樽行き3953M(クハ733-3211)で札幌へ
一気に都会へと戻ってきたという感じがします
札幌には19:13着
夕食には札幌ラーメンを食べ、札幌駅前のネットカフェに宿泊しました
明日からはいよいよ鉄研の合宿です