まだ見ぬ駅を求めて~逆瀬の駅巡り旅~

駅巡りの記録をひたすら載せていくブログです。やたら更新する時と全く更新しないときがあります。

12/6 廃止予定の宗谷本線 歌内駅を6年ぶりに訪問

北海道遠征最終日は3月ダイヤ改正で廃止予定の宗谷本線 歌内駅を6年ぶりに訪問してきました。本数が少ないので、一駅訪問して帰ってくるだけで一日費やしてしまいます。

sakasegawa3019.hatenablog.com

6年前、平成27年12月22日に訪問した際の記事はこちら。当時は大減便前で宗谷本線も今と比べれば本数がありました。しかしながら訪問は日没後で、明るい時間帯に再訪したいと思っているうちに廃止が決まってしまい、今を逃すとチャンスはないと再訪を決意しました。

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普通稚内行き321D

まだ暗い旭川駅を6:03発普通稚内行き321D(キハ54-528+キハ54-509)で出発。旭川発車時点では乗客はまばらでしたが、途中から少しずつ乗って来て、来春「名寄高校前」に移転改称される東風連と名寄で一気に学生が降りてまた寂しくなりました。名寄では後ろの車両を切り離して一両の身軽な姿に。

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名寄駅

ところが、名寄で交換予定の普通4322D→快速なよろ2号が鹿と衝突した影響で15~20分遅れとのこと。その列車の到着を待って、結局22分遅れの8:15に発車しました。美深で少し乗り降りがあり、美深発車時点で自分以外に乗客は5人。美深から乗ってきたのは全員地元の人で、音威子府で降りていきました。人口希薄地帯を走っていて存続が危ぶまれる宗谷本線ですが、しっかりと利用されている姿を見ると嬉しくなります。

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音威子府駅

音威子府から先は自分以外に旅行者が一人乗っているだけ。人家もない無人天塩川沿いを延々走って行きます。途中、天塩中川から作業員の方が乗ってきた以外は乗降もありませんでした。

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歌内に到着

9:57 歌内に到着。廃止が決まっているものの平日だったからか自分以外に乗降はありませんでした。次に列車がやって来るのは2時間25分後。

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歌内駅

歌内駅は大正12(1923)年11月10日、宗谷本線の前身である天塩線が誉平(ぽんぴら、現:天塩中川)から問寒別まで延伸した際に途中駅として開業しました。当時の駅名は「宇戸内(うとない)」で、昭和26(1951)年7月20日に改称されています。旧駅名・現駅名ともアイヌ語の「ウッナイ(鋤骨・川)」に由来し、「背骨に対する鋤骨のように本流に流れ込む支流」の意だとする説があります。

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歌内駅

昭和59年11月に無人化、駅舎は昭和60年前後に貨車駅舎に改築されました。車掌車を改造し、妻面に窓を一つだけ残した、旭川鉄道管理局のかつての管内でよく見かけるタイプのデザインです。同型の駅舎は宗谷本線では智東(廃止・移設)、智恵文(改装)、紋穂内(廃止)、恩根内(改築・移設)、筬島(改装)、問寒別(改装)、安牛(廃止・保存)、上幌延(廃止・保存)、下沼(改装)、芦川(廃止・移設)、勇知(改装)に、留萌本線では恵比島(改装)、幌糠、大和田、礼受(廃止・残存)、舎熊(廃止)に、函館本線では伊納(廃止)に、深名線では幌成(廃止・移設)にありました。今ではそのほとんどが改装または廃止によって姿を変えたり消えたりして、原型を留めているものは少数派です。木造駅舎を追いやったことで嫌われ者だった貨車駅舎も貴重な存在として顧みられてきているのは嬉しいですが、果たして数年後どれだけが残っているでしょうか。

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歌内駅

歌内駅に最初に廃止の話が出たのは平成28年7月上旬で、翌29年3月ダイヤ改正での廃止方針がJRから中川町に伝えられました。これに対し、中川町は反発して交渉を拒否。ひとまず当分はJRの費用負担で存続することになりました。令和元年12月、JRは宗谷本線沿線自治体に対し、1日平均乗降客数が3人以下の駅について、自治体の維持管理での存続か令和3年3月ダイヤ改正での廃止かの方針を令和2年3月までに報告するよう要請を出しました。その後、中川町は佐久駅と歌内駅について町の費用負担で当面維持し、その後の存廃については適宜地元住民と相談する旨を表明。令和3年4月1日より、歌内駅は佐久駅と共に中川町の維持管理駅に移行しました。しかし、維持管理駅としての営業はわずか一年のみで、7月中旬には廃止の方針が町からJRに伝えられました。このまま行けば令和4年3月12日ダイヤ改正で98年5カ月の歴史に幕を下ろすことになります。

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歌内駅遠景

せっかく時間があるので駅周辺も見てみましょう。駅前には交差点があり、天塩川改修工事の関係か、頻繁にトラックが行き来していました。駅周辺には人家が2軒と農作業管理休養施設、河川改修工事の現場事務所があり、「秘境」ではありません。少し離れたところにも集落があり、そちらからの利用も昔はあったようです。駅の廃止に際し中川町は、歌内・国府地区在住の町民が天塩中川駅から宗谷本線を利用する場合は年齢を問わずタクシー代を補助する代替措置を行うとのことです。

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歌内駅 駅ノート

周辺を散策し、いろんな角度から駅を撮ってもまだ時間がたっぷりあったので、駅ノートを読んで過ごします。6年前に訪問した時の自分の書き込みがまだ残っていて驚きました。過去の書き込みによれば、管理駅である幌延駅の駅員さんがこの駅を掃除して綺麗に保ってくれていた時期があったようです。闇が深いアレな書き込みも多々見受けられましたが、盗難・紛失することなく無事に最後の日を迎えてほしいものです。

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歌内駅を後に

駅ノートを読んでいれば退屈することなく時間はあっという間に過ぎ去り、帰りの列車の時間がやってきました。12:22発普通名寄行き4326D(キハ54-506)は定刻通りに到着。乗客は他に6人で、音威子府からも3人乗ってきました。

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名寄で乗り換え

終点・名寄で14:44発快速なよろ8号旭川行き3326D(H100-16)に乗り換え。快速なよろも通過駅が3月ダイヤ改正で一掃されてしまいましたが、H100形投入でスピードアップが図られています。

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特急カムイ32号

沈む夕日を見ながら旭川に到着。16:00発特急カムイ32号札幌行き2032M(クハ789-1004)に乗り換えて札幌へ。札幌では一昨夜泊まった快活クラブにカメラの充電器を忘れてしまったので、取りに行きましたが、丁寧な対応をしていただき、無事回収することができました。

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白樺山荘 正油ラーメン

さっぽろラーメン共和国の白樺山荘で夕食。味噌ラーメンが有名なお店ですが、今回は正油ラーメンをチョイス。ゆで卵無料サービスが嬉しいですね。

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スカイマークSKY730便

札幌18:37発快速エアポート186号新千歳空港行き3954M(クハ721-4104)で新千歳空港へ。21:00発SKY730便で北の大地を離れました。羽田空港22:50発エアポート急行高砂行き2253T(5503-5)で品川へ。新しいホームになった品川駅から23:17発山手線外回り2225G(モハE235-150)で帰宅しました。